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THE MODEL(ザ・モデル)とは何か徹底解説 BtoBビジネスにおける効率的な営業組織

目次

THE MODELとは? 概念解説

THE MODEL(ザ・モデル)とは、営業組織の効率化と事業成長を目指すフレームワークです。
このモデルは、営業プロセスをいくつかのステージに分け、それぞれのステージで最も効果的な役割を果たす部門やチームを配置します。これにより、各部門は自分たちの専門性を最大限に活かすことができ、全体としての営業効率が向上します。

また、THE MODELは顧客のニーズに対応するためのフレキシブルな組織体制を提供し、事業の成長を支えます。

まずは日本に広まった経緯や、定義と基本的な仕組み、THE MODEL型組織のメリットについて詳しく解説します。

書籍の影響で日本にも広まる

THE MODELは福田康隆氏の著書『THE MODEL』を通じて日本に広まりました。同書では基本的な概念と実践的な適用方法を解説しており、営業組織の効率化と事業成長を目指す企業経営者や事業責任者にとって、非常に参考になる内容となっています。

THE MODELの定義と基本的な仕組み

THE MODELは、営業組織の構造を最適化するためのフレームワークです。
このモデルでは、営業プロセスをいくつかのステージに分け、それぞれのステージで最も効果的な役割を果たす部門やチームを配置します。これにより、各部門は自分たちの専門性を最大限に活かすことができ、全体としての営業効率が向上します。
また、このモデルは顧客のニーズに対応するためのフレキシブルな組織体制を提供し、事業の成長を支えます。

THE MODEL型組織のメリット 営業効率の改善と事業成長を目指して

THE MODELのメリットは以下の点が挙げられます。

・営業活動の無駄を削減し、効率化を図ることができる。
・より多くのリードにリーチし、成約率を向上させることができる。
・顧客満足度を向上させ、リピートビジネスを獲得することができる。

最大のメリットは、営業効率の向上です。各部門が特化した業務に集中することで、それぞれのプロセスが高度に効率化され、全体としての営業パフォーマンスが向上します。

例えば、マーケティング部門はリード(見込み客)の獲得と育成に専念し、インサイドセールス部門はリード獲得から顧客との初期対話までを担当します。これにより、各部門は自分たちの専門性を最大限に活かすことができ、全体としての営業効率が向上します。

また、営業プロセスが細分化され、各部門が連携して動くことで、顧客のニーズに迅速に対応し、高品質なサービスを提供することが可能になります。これにより、顧客満足度が向上し、リピートビジネスや口コミによる新規顧客の獲得が期待できます。さらに、各部門が自分たちの業績を明確に把握し、改善に取り組むことで、組織全体としての成長を促進します。

THE MODEL導入前後の組織の変化

THE MODELを導入すると、組織の営業プロセスが大きく変化します。導入前は、一人の営業担当者がリード獲得から商談、クロージング、顧客サポートまでを一手に担う場合が多いでしょう。
しかし、THE MODEL導入後は、これらのプロセスがマーケティング、インサイドセールス、フィールドセールス、カスタマーサクセスという4つの部門に分けられ、それぞれが専門的な役割を果たすようになります。これにより、各部門が自身の役割をより効率的にこなし、全体としての営業効率が向上します。

また、各部門が連携し、一貫した顧客体験を提供することで、顧客満足度の向上や売上増大につながります。

THE MODEL型組織の各部門と役割

THE MODEL型組織では、マーケティング部門、インサイドセールス部門、フィールドセールス部門、そしてカスタマーサクセス部門という4つの部門が連携して動くことで、顧客のニーズに迅速に対応し、高品質なサービスを提供することが可能になります。
各部門とその役割について詳しく解説します。



【マーケティング部門】 リードを獲得しナーチャリング

THE MODELにおけるマーケティング部門の主な役割は、リード(見込み客)の獲得とナーチャリング(育成)です。自社の商品やサービスに関心を持つ可能性のある顧客を見つけ出し、顧客の関心を具体的な購入行動につなげるための活動を行います。

マーケティング部門は、あらかじめ設定したペルソナ像に合った顧客からのCV(問い合わせや資料ダウンロード数等)やサイトのPVなどをKPIにして活動します。マーケティング活動の成果を具体的に測定し、自社の利益につながる顧客を獲得することが目指されます。

具体的には以下のような活動が挙げられます。

・ウェブサイトやブログの運営
・ソーシャルメディアの活用
・セミナーやイベントの開催
・コンテンツマーケティング
・マーケティングオートメーションツールの活用

マーケティング部門が獲得・育成したリードは、次のステップであるインサイドセールス部門に引き継がれます。インサイドセールス部門は、電話やメールなどを通じて見込み客にアポイントを取り、商談につなげる役割を担います。

【インサイドセールス部門】 リード獲得から顧客との初期対話まで

THE MODELにおけるインサイドセールス部門の主な役割は、マーケティング部門から引き継いだリードの購買意欲をさらに高め、営業にパスすることです。具体的には、見込み客の育成や案件化を行います。

インサイドセールス部門は、主に電話やメールなどの非対面での手法を用いて見込み顧客にアプローチします。この段階では、顧客のニーズや課題を深く理解し、それに対する自社の商品やサービスの価値を明確に伝えることが求められます。

具体的には、次のような活動を行います。

・リード顧客への電話やメールによるアプローチ
・リード顧客のニーズや課題のヒアリング
・リード顧客の育成

このように、インサイドセールス部門は、マーケティング部門から引き継いだリードを具体的な商談の機会につなげる役割を担っています。
顧客との初期対話を通じて、顧客の購買意欲を高め、次のステップであるフィールドセールス部門へスムーズに引き継ぐことが目指されます。

【フィールドセールス部門】 高価値提案とクロージング

THE MODELにおけるフィールドセールス部門の主な役割は、高価値提案とクロージング(契約締結)です。具体的には、インサイドセールス部門から引き継いだ見込み顧客に対して、具体的な商品やサービスの提案を行い、契約締結に至るまでのプロセスを担当します。

具体的には、次の活動を行います。

・リード顧客との面談
・リード顧客のニーズや課題を受けた解決案の提示
・自社の製品やサービスの提案
・クロージング

フィールドセールス部門は、顧客と直接対話を行う役割を果たします。これには、商談の設定、顧客の課題解決に向けた具体的な提案、そして最終的な契約締結が含まれます。この段階では、顧客のニーズや課題を深く理解し、それに対する自社の商品やサービスの価値を具体的に伝えることが求められます。
フィールドセールス部門は、THE MODELにおける営業活動全体の成果を決定する役割を担っています。

【カスタマーサクセス部門】 長期的な顧客満足度向上とリピートビジネスの追求

THE MODELにおけるカスタマーサクセス部門の主な役割は、顧客の利用状況のサポート、問い合わせ対応、アップセル(より上位の商材を購入する提案)やクロスセル(他の商材を一緒に購入する提案)といった提案を行い、顧客の長期的な満足度向上とリピートビジネスの追求を目指すことです。

具体的には、次の活動を行います。

・顧客への製品やサービスの説明
・顧客の疑問や質問への対応
・顧客のフィードバックをもとに製品やサービスの改善
・顧客へのアップセル・クロスセルの提案

カスタマーサクセス部門は、顧客が自社の商品やサービスを最大限に活用できるようにサポートします。これには、顧客の利用状況の確認、問い合わせ対応、必要に応じた製品の使い方の指導などが含まれます。また、顧客のニーズに応じて新たな商品やサービスの提案(アップセル・クロスセル)を行い、顧客の満足度をさらに高めることを目指します。

このように、カスタマーサクセス部門は、顧客が自社の商品やサービスを継続的に利用し、その価値を最大限に引き出すことをサポートする役割となります。その結果、顧客の長期的な満足度が向上し、リピートビジネスが増えることが期待されます。

THE MODELの導入による組織の改善 プロセスの効率化と組織の進化

THE MODELの導入は、組織の営業プロセスを大きく変革し、効率化と組織の進化をもたらします。一人の営業担当者が全てのプロセスを担当する従来のスタイルから、各プロセスを専門的に担当する部門に分けることで、各部門は自分たちの専門性を最大限に活かせるようになります。
具体的にTHE MODELを導入するステップと注意点について解説します。

THE MODEL導入のためのステップと注意点

THE MODELを導入する際には、以下のステップと注意点を考慮することが重要です。

目標の設定

運用する際には、まず目標を明確にしましょう。4つの役割毎にKPIを設定しますが、数値化する際には部署の分断を避け、全体での最適化が必要です。そうしなければ、何か課題が生じた際に本質的な原因が分からなくなります。

業務オペレーションの確立

効果を出しやすいインサイドセールスから着手すると成果に結びつきやすいです。業務オペレーションを確立したり、部門間の取り決めを行い、ツールが最大限効果を発揮できるようにすることが重要です。

指標の管理

注意点は、「追うべき指標」と「見るべき指標」を分けて考える必要があるという事です。KPIは、あくまでボトルネックを特定するための指標であり、追うべきではありません。

営業活動の可視化

各担当ごとにKPIが設けられ、その達成率を確認しながら改善に取り組むため、どのようなステップに問題を抱えているのかを確実に特定し、迅速に改善へ結びつけることができます。

BtoBマーケティングとTHE MODEL より高度なマーケティング戦略へ

BtoBマーケティングとTHE MODELの組み合わせは、より高度なマーケティング戦略を実現します。THE MODELの導入により、各部門が専門的な役割を果たすことで、顧客満足度の向上とビジネスの成長を目指すことが可能になります。

BtoBマーケティングとTHE MODEL

BtoBマーケティングでは、ターゲットとなる企業の課題を深く理解し、それに対する解決策を提供することが求められます。THE MODELの導入により、各部門間の連携が強化され、データ設計・共有の枠組みが構築されることで、顧客のニーズや行動をより深く理解し、それに対応したマーケティング活動を行うことが可能になります。

顧客を中心としたTHE MODELによるマーケティング戦略

THE MODELの導入により、顧客中心のマーケティング戦略が現実のものとなります。これは、上述した通り、THE MODELが顧客の購買プロセスを深く理解し、その理解を基にマーケティング、インサイドセールス、フィールドセールス、そしてカスタマーサクセスの4つの役割が連携し、活動することを促進するからです。

顧客中心のマーケティング戦略では、顧客のニーズや課題を深く理解し、それらに対する解決策を提供することが重要です。THE MODELの導入により、各部門が顧客のニーズに適応した活動を行い、結果として顧客満足度を向上させることができます。

さらに、THE MODELを使用することで、各部門間の連携が強化され、データ設計・共有の枠組みを確立することができます。これにより、顧客のニーズや行動をより深く理解し、それに適応したマーケティング活動を行うことが可能となります。

このように、顧客中心のTHE MODELによるマーケティング戦略は、顧客のニーズに適応した効果的なマーケティング活動を行い、結果的には顧客満足度の向上とビジネスの成長を実現します。

FanGrowth編集部
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