DXO株式会社
半年でハウスリストが0から5,700件、商談数も月40件に!新規事業を加速させたウェビナー活用術とは?

DXO株式会社は、ITとアウトソーシングの融合によって、これまでの非常識を常識にするサービスを創出しています。主軸とする介護関連事業に加えて、2024年春には「SALESFORWARD事業」を立ち上げました。
まだ設立されて間もないSALESFORWARD事業部は、ハウスリスト0件の状況からマーケティング施策をスタートさせます。当初はマーケティングに苦戦したものの、FanGrowth×ウェビナーBPOの支援を受けると徐々にハウスリストが増加。支援開始からたった半年でハウスリストが約5,700件に到達しました。
今回はDXO株式会社SALESFORWARD事業部に所属する、マネージャーの松井 力様、リーダーの青池 優樹様、集客担当の舟田 玲美様に、導入の背景やご活用の成果などについてお聞きしました。
ハウスリスト0件の新規事業でウェビナー施策に初挑戦
山縣(FanGrowthコンサルタント):はじめに、貴社の事業概要と、業務での担当領域およびミッションについてお伺いしてもよろしいでしょうか。
DXO 松井 力さん(以下、松井):弊社ではITとアウトソーシングを掛け合わせたビジネスサポートを提供しています。主な事業内容は、介護事業所様の運営を支援する「プロサポ!事業」や「介護研修事業」、ITの技術支援やコンサルティングを提供する「IT人材支援(SES)事業」などです。なかでも私たちは、新規で立ち上げた「SALESFORWARD事業」に携わっています。
「SALESFORWARD」は、対話型動画で企業様の商談を支援し、マーケティング・営業活動の成果向上につなげるサービスです。顧客が短い動画を視聴しながら質問に答えると、回答に応じてシナリオが変化する仕組みになっています。動画の視聴履歴や回答データから顧客ニーズを把握することで、有効商談数の増加が期待できます。
私はSALESFORWARD事業部の営業責任者として、戦略策定や企画設計の領域を統括し、受注件数や商談獲得数の向上へ取り組んでいます。
DXO 青池 優樹さん(以下、青池):SALESFORWARD事業部のマーケティング責任者として、戦略策定や企画設計のほか、マーケティング施策のKPI管理を担っています。主にリード獲得数の向上をミッションに掲げています。
DXO 舟田 玲美さん(以下、舟田):SALESFORWARD事業部のウェビナー集客やフロント業務を担っています。具体的にはメール・広告・LPによる集客を担当し、集客数やリード獲得数の向上に取り組んでいます。
山縣:「SALESFORWARD」は2024年春頃に立ち上げたサービスだと伺っています。新規事業のマーケティングにおいて、どんな課題がありましたか。
松井:ハウスリスト0件からのスタートだったので、立ち上げ当初のマーケティングには苦戦しました…。最初は営業リストを購入してテレアポに取り組んだものの、営業効率が悪く2週間ほどで中止したんです。既存の介護関連事業ではコールドコールで成果を出した経験があるものの、「SALESFORWARD」の場合はいくら架電してもキーマンと接触できず、顧客の声を聞けませんでした。
ほかにもフォームDMやWeb広告の施策にも取り組みましたが、なかなか成果を出せない状況が続いてしまって。一時はオウンドメディア運営も検討したものの、中長期的なスパンで成果を出すSEOの性質上、このタイミングで取り組む施策としては優先順位が低いと考えていました。
山縣:数あるマーケティング施策を検討された中で、FanGrowth×ウェビナーBPOを選んだのはなぜですか。
松井:とにかく、まずは挑戦という考えでウェビナー施策の導入を決めました。そもそもハウスリスト0件からのスタートなので、何もしないという選択肢はありません。ウェビナー運営のリソースに懸念があったものの、山縣さんが「皆さんは資料作成をお願いします、その他の運営は全て任せてください!」と言って、弊社側の不安を解消してくれました。もしあのとき背中を押してもらえなかったら、ウェビナー施策には挑戦していなかったと思います。
また、サービスの訴求ポイントが明確になっていなかったことも、大きな要因です。
訴求が定まらないまま広告を出しても、成果にはつながりにくいため、テストマーケティング的な手法がとれるウェビナーは非常に魅力的に感じていました。
例えば、企画ごとの反応を見ることで、「SALESFORWARD」がどのような訴求に対して顧客から反応を得られるのかを検証することができます。
青池:また、ウェビナー施策を受け入れた背景として、既存事業でウェビナーに近いマーケティング施策の経験があった点も挙げられます。過去には介護関連事業でも、録画した動画を配信した経験や、対面セミナー経由で商談を獲得した経験がありました。
松井:だからこそ、ウェビナーを開催して顧客と接点を持てば、その後はテレアポで商談の件数を増やせるはずだと期待していました。初めて挑戦する施策ではあったものの、介護関連事業での経験から、ウェビナー経由でリードを獲得するイメージができていたのです。実際にFanGrowth×ウェビナーBPOの支援を受けて施策に取り組んでみると、明らかに数字に変化が見られました。
青池:ウェビナー施策には即効性を感じました。例えば2024年7月に開催したウェビナーでは、さっそく7件の商談を獲得しています。初期に取り組んでいたコールドコールと比較すると大きな成果です。早期に成果を出せたことが、さらにウェビナー施策に注力するきっかけとなりました。
松井:また、立ち上げ直後で「SALESFORWARD」のサービス自体が発展途上にある中で、顧客ニーズに合わせてサービスを改善できるようになったのも、ウェビナー施策の大きなメリットです。ウェビナー経由で商談を獲得すると、顧客の声を聞く機会を作れます。顧客へのヒアリングを実施し、ニーズを反映させてサービスを改善するというPDCAサイクルを回せるようになりました。
山縣:ウェビナー開催によって顧客接点が増えた結果、マーケティングの成果を出せた上に、新規で立ち上げたサービスを改善する効果も得られたのですね。その後、ウェビナー施策へ本格的に取り組み始めてから見えてきた課題はありますか。
松井:「SALESFORWARD」は新規事業のため、他社との関わりがほとんどない状態で、共催先の探し方がわかりませんでした。また、ノウハウ不足で企画の立て方もわかりません。最初は山縣さんのサポートに頼りきりで、おんぶに抱っこの状態…。私たちが持つ営業・マーケティング分野の専門知識をウェビナー企画に反映させるテクニックは、経験豊富な山縣さんに指導していただきました。
また、ウェビナー施策が本格化するにつれて、商談を獲得できる見込みが立ったので、社内体制を見直しました。初めのうちは私が中心となってウェビナーに登壇していましたが、その後に青池も登壇者となり、少しずつ登壇者を増やしています。また、ウェビナー開催後のアポイントメントから商談までをさらにスムーズに進めるために、人員を補充しました。
青池:ウェビナーのテーマに関しては、色々な方向性を試しながら、徐々に絞り込んでいきました。最初はどんなターゲット層のニーズに「SALESFORWARD」が合致するのかよくわからない状態。そのため幅広い顧客と接点を作ることを重視し、特定のテーマに絞るよりも、多くの件数をこなす意識でウェビナーを開催しました。さまざまなテーマのウェビナーを経験するにつれて、徐々に「SALESFORWARD」が訴求すべきメッセージが明確化されていき、現在はようやく“顧客の検討フェーズの察知”というテーマが見えてきた段階です。
カンファレンス登壇でハウスリストが急増しWeb広告での集客が不要に
FanGrowth編集部:コンサルタントから見て、FanGrowth×ウェビナーBPOを導入した当初のSALESFORWARD事業部はどのような印象でしたか。
山縣:「DXO様の営業力」「商材の特性」「ターゲットのBtoB市場」の3点を踏まえると、ウェビナー施策で十分な成果を出せると直感しました。かつてはFanGrowthもハウスリストや社内リソースに限りがある状況からここまで拡大した経緯があります。そのため、ハウスリスト0件のSALESFORWARD事業部も、ウェビナー施策で入り口を広げれば商談を獲得できるはずだと自信がありました。DXO様は既存の介護関連事業で培ってきた営業力に強みがあるので、「SALESFORWARD」の特性とフィットするテーマのウェビナーを開催すれば、リード獲得から商談につなげられるはずです。さらに、過去のコンサルティング経験に基づいて、商材と合致するBtoB市場をターゲットにした場合に一定の数値は達成できるだろうと予測していました。
FanGrowth編集部:「SALESFORWARD」のターゲットを設定するにあたって、商材の特性から「マーケティング部門」と「セールス部門」の大きく2つの方向性がありそうですね。
松井:「SALESFORWARD」は、一次商談を代替するサービスという観点で見ると、セールス部門のターゲットに訴求しやすい側面があります。その一方で、コンテンツ制作のアウトソーシングという観点では、マーケティング部門にも訴求できます。どちらかというと、具体的に利用場面をイメージしやすいのはセールス部門のほうでしょうか。
山縣:「SALESFORWARD」はインタラクティブ動画というジャンルの中では後発のサービスに該当します。それに対して、先行の競合サービスの中には、「BtoCマーケティング領域に強みを持つサービス」「セールス領域に強みを持つサービス」「UI・UXが優れたサービス」などが存在します。こうした状況を踏まえると、先発の競合サービスと勝負するよりも、BtoBマーケティング領域をターゲットにするべきではと考えました。
ただ、実際にウェビナー施策に取り組んでみると、BtoBマーケティング領域に限らず、BtoBセールス領域でも一定の成果が見られます。そのため、現在はターゲットを見極めるために、主に商談化率を注視しながら引き続き絞り込みを進めている段階です。
FanGrowth編集部:まだハウスリストが少ない時点では、ウェビナーの集客で苦労されたのではないでしょうか。当時はどのように集客に取り組んでいましたか。
松井:初回のウェビナーでは、全社一斉にメールを送って、「知り合いの会社の人にできるだけ声をかけてほしい」と社員に依頼しました。目標とする人数を埋めるために、他社の仲の良い社長にお願いして参加していただいたこともあります。
青池:しばらくは集客のためにWeb広告を利用しました。当時の広告費の予算は、1イベントあたり20万円程度です。広告ツールの使い方がほとんどわからない状態だったので、配信ターゲットの設定から広告用画像の手配まで、山縣さんにサポートしていただきました。
集客の状況が大きく変わったのは、山縣さんからカンファレンス登壇のお誘いをいただいてからです。カンファレンスでは、多数の著名な企業様と一緒に登壇させていただきました。2024年7~8月に2回のカンファレンスに登壇すると、約2,000件のハウスリストが集まりました。そこからWeb広告と並行してメールでの集客ができるようになったんです。徐々にメールで集客する割合が増えるにつれて、Web広告の費用は1イベントあたり3万円程度まで下がっていきました。
山縣:FanGrowthのコンサルタントとして年間30件ほどカンファレンス開催に携わっているので、ちょうど「SALESFORWARD」と相性の良い企画にお繋ぎできました。このチャンスをスタートダッシュにしてハウスリストを増やさなければならないので、「なんとしても50名の集客を達成してください!」と皆さんにお声がけしたのを覚えています。
松井:お陰様で現在はWeb広告を一切利用せずに、メールだけで集客を行っています。集客のための広告費を大幅に削減できました。
FanGrowth編集部:すごいですね。メールのみでどの程度の集客ができていますか。
舟田:4社協催ウェビナーの場合、3~4回のメール配信で約20名の集客を行っています。カンファレンスのような大規模イベントの場合は、4~5回のメール配信で約50名の集客が可能です。他社様の配信メールの良いポイントを分析しながら、メール文面の改善を重ねて、ようやく集客の成果を出せるようになりました。
たった半年でハウスリストは約5,700件、リード数は延べ7,500件に到達、商談は月間40件獲得!
FanGrowth編集部:FanGrowth×ウェビナーBPOの導入後、定量面の成果について教えてください。
青池:ウェビナー施策の開始から約半年で、ハウスリストは約5,700件(※配信停止を除く)に到達しました。また、リード数は延べ7,500件です。ハウスリスト0件から半年でここまで増やしたのは、成果としてはいかがですか…?
山縣:すごいですよ! 施策開始から1年が経つ頃には、ハウスリストは1万件を超えるだろうと予測しています。月間の商談件数は何件くらい獲得できていますか。
青池:もっとも商談の件数が多かったのは2024年7月で、40件を獲得しました。現状は月間30件前後で安定して推移しています。
山縣:月間40件の商談を実現できる企業はなかなかありません。前提として、DXO様は既存の介護関連事業で培ったテレアポの営業力に強みがあるからこそ、ウェビナー施策で大きな成果を出せたと考えています。何かそのほかにも秘訣があるのでしょうか?
松井:たしかに、これまで介護関連事業ではテレアポでの営業力が通用しました。ただ、この営業力をSALESFORWARD事業でも展開できるかと思いきや、立ち上げ当初のコールドコールでは成果を出せていません。弊社の強みであるテレアポをウェビナー施策と組み合わせたからこそ、半年で5,700件のハウスリストを獲得し、そこから水を得た魚のように成果を出せたのではないでしょうか。
青池:弊社はインサイドセールス1名の社内体制で運用しています。架電までの流れとしては、ウェビナー開催後、インサイドセールスにリードを提供し、ウェビナー参加の有無にかかわらず架電しています。ただ、闇雲に架電しているというよりはターゲットセグメントである役職(部長以上)に基づいて絞り込みを行い、架電しています。 そもそも「SALESFORWARD」は商材を即座に理解してもらうのが難しいため、まずはお客様に商材を知っていただく目的で架電することも多いです。切り返しトークを磨くために、ロールプレイングにも積極的に取り組みました。
山縣:架電する際は、何か工夫をされていますか?
松井:特別な工夫とまでは言えないかもしれませんが、ウェビナーへの参加有無に関わらず、ターゲットとなるリードに架電を行い、接触対象を広げています。もちろん、架電時には相手の状況に応じてトーク内容を変えるなど、アプローチを工夫しています。実際、ウェビナーに参加していない方へのアプローチからも、意外と商談を獲得できているのです。
山縣:なるほど…。やはり、ウェビナー参加の有無にかかわらず商談を獲得できる、テレアポの技術の高さが伺えます。商談化率についても教えてください。
松井:商談化率は平均して15%程度です。対象を役職者以上に絞り込むと、調子がいいときで20%を超えるケースもあります。部長以上へアプローチする場合で35%程度です。
青池:ウェビナーやカンファレンスをきっかけに、参加者が「SALESFORWARD」のサービスを検索する流れを上手く作れているようです。ウェビナー施策を始めてから3カ月間の商談は、全チャンネルのうちウェビナーが100%を占めていました。現在は顧客からの紹介による商談が増えているものの、引き続きウェビナーがほぼ100%を占めている状況です。
山縣:ウェビナーのターゲット含有率が高く、「SALESFORWARD」を必要とする方がきちんと参加してくれている状況ですね。ウェビナーの登壇者になって人脈が増えたことで、BtoB市場におけるDXO様の立ち位置にも変化を感じているのではないでしょうか。
松井:展示会へ行くと、会場で何人も知り合いに会います。初めて挨拶するつもりで企業のブースに行ったら、「松井さんのことを知っていますよ!」と言われて驚いたことも(笑)。 同業者と会話の機会が増えて、人づてに業界の最新情報を入手できるようになりました。
山縣:人脈が増えると、ある企業がサービス導入を検討するタイミングで「そういえばDXOという会社のサービスがあったな…」と思い出してもらえる可能性も高まりますね。
FanGrowth編集部:FanGrowth×ウェビナーBPOの定性面に関してはいかがでしたか。
松井:山縣さんのコンサルティングがなかったら、そもそもウェビナー施策自体を実施できていなかったと思います。仮に自分たちで企画ができたとしても、共催先とのマッチングに関しては、他社とのコネクションがまったくない状態でどのように共催先を探すのか、まったく想像ができません。
コンサルティングを受けて安定的に商談を獲得できるようになり、ようやく他のマーケティング施策へ目を向ける余裕ができました。今後は展示会への出展予定もあります。ウェビナー開催を通じて「SALESFORWARD」の訴求の方向性が定まったので、今ならWeb広告のワーディングもスムーズに思い描けそうです…! ここまでの半年間できちんと成果を出せたからこそ、安心して幅広いマーケティング施策に取り組めます。
青池:山縣さんは、定量的な成果を出す型を組むのがすごく早かったです。だからこそ、ウェビナー施策の開始からたった半年で、スピーディーに結果につなげられたのではないでしょうか。
コンサルティングでは、単なるウェビナー施策の助言に留まらず、弊社全体のマーケティング戦略まで踏まえてアドバイスをいただけたので助かっています。今日の山縣さんからのコメントを聞いて、「こうしてポジティブな意見をいただけたということは、弊社はウェビナー施策を上手く運用できているようだ」と実感できました。
山縣:ミーティングでは、今後のマーケティングの方針に関して互いに意見を出しながら、「これからどういう風に攻めていきますか?」と話し合う時間が多かったですね。SALESFORWARD事業部の皆様には、“コンサルタントとして支援した”というよりも、“皆様にたくさん動いていただいた”という印象を持っています。ここまでありがとうございました。
FanGrowth編集部:今後の「SALESFORWARD」の展望について教えてください。
青池:引き続きウェビナー経由で安定してリードを獲得するためにも、ある程度は弊社が主導でウェビナー施策を運用できるようになる必要があると考えています。そのためにも、山縣さんからウェビナー施策のノウハウを吸収したいです。また、弊社のウェビナー登壇者が扱うテーマをどのように広げていくかも課題だと考えています。弊社から共催先をお誘いする場合でも、逆に共催先からお誘いいただく場合でも、私たちDXOが登壇する意義をさらに明確にしなければなりません。
松井:現状は商談化率に関しては好調であるものの、恥ずかしながら受注に関してはまだ成果が想定を下回っている状況です。受注までのパイプライン管理は大きな課題として捉えています。次の課題へ向けて、引き続き山縣さんにお力添えいただきたいと思います。
山縣:たしかに、ウェビナー経由での商談から受注は発生こそしているものの、件数としてはまだ伸ばせる余地がありそうですね。コンサルタント目線では、残り半年の支援で受注の数値も着実に上がってくると予測しています。引き続き支援してまいりますので、よろしくお願いいたします!