
ウェビナーは何曜日・何時が正解?申込数と出席率で決める日程設計
ウェビナーの開催日程を決めるとき。何曜日・何時に設定すれば申込数が増えるのか、判断の基準がわからないという方は多いのではないでしょうか。
FanGrowthが1,100件超の企画データを分析した結果、曜日・時間帯の選択だけでなく、集客期間と告知タイミングの設計までセットで考えることが重要だとわかっています。曜日・時間帯の選択は機会損失を防ぐための前提条件ですが、それ単独で成果は変わりません。
この記事では、曜日・時間帯・開催尺・集客期間・リマインド設計の5要素を整合させた日程設計の考え方を整理します。
申込数と出席率を伸ばす、ウェビナー日程設計のヒント
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曜日より先に知るべきこと
開催曜日の話に入る前に、1つ確認しておきたいことがあります。「曜日を変えれば集客が改善する」という期待は、多くの場合、結果として外れます。
FanGrowthのデータ(1,123企画・申込75,431件)では、集客期間が19日以上の企画は、19日未満の企画に比べて申込の中央値が21名多くなっています。同一組織内の比較でも、94社中75%のケースで同じ方向の結果が確認されています。一方、曜日を変えた場合の申込数への影響は、集客期間の差ほど一貫した傾向は見られません。
つまり、曜日・時間帯の選択は「参加者の機会損失を防ぐ前提条件」であって、それだけで申込数が大きく変わるわけではありません。曜日・時間帯・集客期間・リマインドの4要素をセットで設計することが、日程設計の正しい出発点です。
ウェビナーに向く曜日
BtoBウェビナーでは、火・水・木曜日が推奨されることが多くあります。この理由は慣習ではなく、参加者の行動構造から説明できます。
月曜日は週初めの会議や朝礼が集中し、午前の予定が埋まりやすい曜日です。金曜日は週内の締め切りが集中し、夕方以降は週末の予定とも競合します。これらの曜日は、申込は入っても当日の参加率が落ちやすいという傾向があります。
火・水・木が選ばれるのは「参加しやすい曜日だから」ではなく、「予定を動かしやすい曜日だから」です。ウェビナーは参加者にとって「行かなくても業務に支障がない予定」として扱われます。だからこそ、他の用事に押し出されにくい枠を選ぶことが重要になります。
判断材料として最も信頼できるのは、自社の過去ウェビナーの曜日別申込数と出席率です。3回分のデータがあれば傾向は見えてきます。既存顧客の担当者に「いつなら参加しやすいか」を直接聞くことも有効な確認方法です。テーマが回によって違うため厳密な比較にはなりませんが、明らかに参加率が低い枠は浮かび上がってきます。
ウェビナーの時間帯と役職別候補枠
曜日が決まったら、次に時間帯を考えます。BtoBウェビナーでは、12〜13時台の昼休みや、午前の業務が落ち着く11時前後が参加しやすいとされることが多いです。
夕方の開催は申込が一定数入っても、当日の集中度が落ちやすい枠です。リードの質を重視するなら、午前から昼過ぎの枠を優先する判断には根拠があります。
役職別の第一候補
より精度の高い設計をするには、「誰に来てほしいか」を1段具体化してから時間帯を絞る必要があります。役職を決めずに時間帯を決めるのは、設計の順序が逆です。
経営者・役員を対象にするなら、日中は商談や会議で予定が詰まっている前提で考えます。動かせるのは始業前後か終業間際が多く、枠は朝か夕方の短時間になります。所要時間を30分で設定することが前提条件です。1時間の予定を空けるのは決断が要りますが、30分なら会議の合間に入ります。
管理職には11時台・14時台が有効です。午前の定例会議が終わった後、または昼休み明けの立ち上がりのタイミングで、席を離れやすい区切りが生まれます。
現場の担当者なら、昼前後または業務後の短時間枠が候補になります。職種によっては日中に席を離れられないケースもあり、短い尺で組む設計との組み合わせが有効です。
<役職別の開催時間帯の第一候補>
対象 | 第一候補枠 | 避けたい枠 | 推奨所要時間 |
|---|---|---|---|
経営者・役員 | 始業前後(8〜9時台)または終業間際(17〜18時台) | 日中全般(商談・会議が集中) | 30分 |
管理職 | 11時台・14時台 | 午前の定例会議中(9〜10時台) | 30〜60分 |
現場担当者 | 昼前後(11〜13時台)または業務後(18〜19時台) | 職種により日中全般 | 30〜60分 |
ウェビナーの開催時間(尺)の設計
曜日・時間帯と同時に決めておきたいのが、開催の所要時間です。尺の設定は参加率と視聴の深さに直接影響します。
FanGrowthのオンデマンド配信データでは、動画の8割以上を視聴した人の割合を集計しています。60〜90分の企画では48%、90〜120分の企画でも46%とほぼ同水準ですが、120分を超えると33%と13ポイント落ちます。この「120分の壁」は、尺を組む際の上限目安として使えます。
前述の通り、経営層や多忙な管理職を対象にする場合は30分枠が第一候補です。「朝か夕方の短時間」という枠設定とも整合します。
90分超の尺で組む場合は、アーカイブ配信・録画を前提にした設計をおすすめします。当日参加できなかった方が後日視聴できる環境を用意することで、投資したコンテンツ制作の価値を最大化できます。長い尺は「参加の負荷が高い選択」として設計してください。内容の充実度ではなく、参加者の時間コストとして考えることが重要です。
「120分の壁」の詳細データを公開中|オンデマンド配信の視聴実態レポート
17,256セッション・6,429人の視聴データから、何分の動画が最後まで見られるか、見逃し配信でどれだけ欠席者を拾えるか、視聴が多い曜日・時間帯はいつかをまとめました。長尺企画やアーカイブ配信を設計する際の判断材料にご活用ください。
ウェビナーで避けるべき時期と競合確認
曜日と時間帯が適切でも、時期が悪ければ参加率は落ちます。以下の時期は申込と出席の両方に影響が出やすいため、候補日の段階で確認しておくことが重要です。
月末月初は、誰を対象にするかで外すべき日が変わります。経理・財務の担当者は月初の締め処理で動けず、営業担当者は月末の追い込みで予定が入りにくくなります。
決算期・年度末は、数字の追い込みが続く時期として社外の予定全般が入りにくくなります。対象企業の決算月を把握しておくと、外すべき月が具体的に見えてきます。3月決算が多いとはいえ、業種や外資系企業によって異なります。主要顧客の決算月を10社分ほど並べると、避けるべき月が抽象論でなく具体的な月として見えてきます。
展示会シーズンも見落とされやすい盲点です。出展する企業は準備と当日対応で数週間拘束され、来場する側も移動と商談で予定が埋まります。主要展示会の会期は半年前には公開されているため、候補日を出す段階で確認しておくことができます。
連休前後の1週間も避けたい時期です。直前は業務の積み残し処理、直後は休暇明けの立ち上がりが重なります。
競合確認については、候補日を3つ出した段階で、同業他社のイベントページと業界メディアのカレンダーを確認することをおすすめします。日程を確定してから競合が発覚すると、登壇者の再調整と社内承認のやり直しが発生し、告知開始が遅れます。確定後に動かすコストが最も大きいため、候補の段階での確認を習慣にしてください。
ウェビナーの集客期間の最適化
「良い曜日・時間帯に設定したのに申込が少ない」という場合、最も多い原因は、集客期間の短さです。
FanGrowthのデータでは、集客期間7日以内の企画の申込中央値は30名ですが、22〜30日の企画では63名と2倍以上の差が出ています。候補として認識される期間が長いほど、申込数は増えます。
集客期間が長いほど申込数が増える
FanGrowthのデータ(1,078企画)では、集客期間別の申込中央値に明確な差が出ています。集客期間7日以内では30名、15〜21日では49名、22〜30日では63名と、集客期間が伸びるほど申込数が増加する傾向があります。
同一組織内の比較でも、集客期間19日以上の回は19日未満の回より申込の中央値が21名多くなっており、94社中75%のケースで同じ方向の結果が確認されています。募集開始の中央値は開催19日前です。「3週間前からスタート」が実態的な標準といえます。
早く告知する意味は「早く申込を集めること」ではありません。候補として認識される期間を長く取ることにあります。露出期間が短いと、検討の候補にそもそも入らないまま終わります。
進捗管理の目安と当日まで受付を開ける理由
集客期間中の進捗を判断する目安として、開催7日前の申込数が全体の50%に達していれば順調なペースです。FanGrowthのデータでは、7日前時点の申込進捗の中央値は50.4%となっています。
開催21日前の時点では、中央値で1.3%しか申込が入っていません。告知を始めたばかりでほぼゼロの状態でも、焦る必要はありません。集客メールを届けるタイミングを設計通りに実行することが先決です。
受付を当日朝まで開けておくことは、出席率を守るための重要な判断です。当日に申し込んだ人の出席率は86.7%と最も高く、申込から参加までの時間が短いため、記憶が薄れる前に出席につながります。「申込締め切りを開催数日前に設ける」と、最も出席率の高い層を自ら排除することになります。運営の準備が必要な場合も、受付の締め切りは前日以降に置いてください。
ウェビナー申込タイミングと出席率の関係
申込数を増やすだけでなく、当日に実際に来てもらうためには、申込タイミングと出席率の関係を踏まえた設計が必要です。
FanGrowthのデータ(75,398件、全体出席率68.7%)では、申込から開催日までの期間が短いほど出席率が高くなる傾向が一貫して見られます。当日申込の出席率は86.7%、1〜3日前は69.8%、8〜14日前は63.8%、31日以上前は53.6%と、申込が早いほど出席率が落ちていきます。
この構造から、2段階の設計が求められます。集客期間を3週間確保して早い段階から申込者を集め、その上でリマインドによって「申込んだことを忘れていた層」を直前に回収する、という設計です。参加率の目標としては、まず60〜70%を目指すことが現実的な出発点になります。
リマインドは回数より送る理由を変える
リマインドは、送るかどうかよりも「何を目的に送るか」で効果が変わります。各回のリマインドで「送る目的」を変えることが重要です。
1週間前のリマインドは、参加する理由を再確認させることが目的です。登壇者のプロフィールや当日に持ち帰れる学びを改めて伝えます。
前日は参加手順の確認が目的で、参加URLや所要時間、資料の有無など、「参加の障害」を取り除く情報を明記します。
当日朝は即時行動を促すことが目的で、開始時刻と入室URLをシンプルに届けます。
申込直後にカレンダーへの登録を促すワンアクションも、当日の出席率に影響します。予定表に入っていない約束は当日に忘れられるリスクがあり、技術的にはワンクリックで済む施策でも、その有無の差は小さくありません。
まとめ
ウェビナーの日程設計は、曜日と時間帯だけで完結するものではありません。申込数を動かすのは集客期間と告知タイミングの設計であり、当日の出席率を守るのはリマインドの設計です。これらを整合させることが、日程設計の本質です。
曜日は火〜木を基本にしつつ、ターゲットの業種・職種に応じて判断します。時間帯はターゲットの役職を先に決めてから候補枠を絞ります。経営層なら朝か夕方の30分枠、管理職なら11時台・14時台、現場担当者なら昼前後が第一候補です。尺は120分を上限の目安とし、90分を超える場合はアーカイブ配信前提で設計します。
集客期間は3週間を確保することで申込数は増えていきます。進捗は7日前に50%が申込済みかどうかで判断し、受付は当日朝まで開けておきます。リマインドは1週間前・前日・当日朝の3段階で、送る目的を変えながら設計します。
自社の過去データが3回分あれば、一般論より精度の高い判断材料になります。次回の開催から、曜日だけでなく集客開始日とリマインドの送信日をセットでカレンダーに入れることから始めてみてください。
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