
【イベントレポート】なぜ御社のウェビナーは商談化しないのか アンケート・IS連携の再設計
ウェビナーからリードは取れているのに商談にならず、社内では「リストの質が良くない」と言われてしまう。ところが、その「質」を何で測るのかは、マーケティングとインサイドセールスのあいだで決まっていないことがあります。
この記事は、エキサイト株式会社が開催したウェビナー「なぜ御社のウェビナーは商談化しないのか アンケート・IS連携の再設計」の登壇内容をまとめたイベントレポートです。リストの「質」を何で測り、両チームが同じ数字で握るにはどうすればよいかを、登壇内容をもとに説明します。
記事でお伝えするのは、次の2点です。
- ウェビナーごとに認知と商談獲得のどちらを狙うかを決め、目的に合った数字をインサイドセールスと握る方法
- ウェビナー後のフォローを、インサイドセールスからの電話(コール)5回・メール3回を最低ラインとして組み立てる手順と、誰から当たるかを決めるアンケートの設問
2点に共通するのは、ウェビナーが商談につながるかどうかが、マーケティングからインサイドセールスにリストを渡したあとのフォローだけでなく、渡す前の企画とアンケートの設計でも変わることです。
記事では、企画の種類ごとにターゲット含有率がどれだけ変わるかも、実際の数字で紹介します。
イベント概要
| タイトル | なぜ御社のウェビナーは商談化しないのか アンケート・視聴ログ・IS連携の再設計 |
|---|---|
| 開催日時 | 【ライブ配信】 7月28日(火) 12:00 - 13:00 【アーカイブ配信】8月3日(月) 12:00 - 13:00 / 8月12日(水) 12:00 - 13:00 |
| 参加費 | 無料 |
| 主催者 | エキサイト株式会社 |
| 開催場所 | オンライン (FanGrowth) |
登壇者

エキサイト株式会社 FanGrowth
マーケティングマネージャー
村尾 慶尚
MAベンダーである株式会社シャノンにて、マーケティング・インサイドセールス部門の立ち上げ責任者としてマーケティング全体を統括。2025年7月にエキサイト株式会社に入社。FanGrowthのマーケティング責任者としてマーケティングファネル全体を担当。自社でも「売上に繋がるウェビナーが開催できる」というFanGrowthのミッションを達成すべく奮闘中。

エキサイト株式会社 FanGrowth
インサイドセールス
吉村 日比季
新卒で大手人材会社に入社。全社員の中で既存営業TOPの賞を受賞。
その後、経営者向けの営業支援サービスを提供しているベンチャー企業に転職。インサイドセールス責任者としてハウスリスト掘り起こし施策やウェビナー施策立ち上げなどを経験。
2023年にエキサイトに入社し、インサイドセールス業務に従事。
「うちのリストは質が良くないのか」というお悩みを解消するには、まず、その「質」を何の数字で測るのかを、マーケティングとインサイドセールスで定義することが重要です。
ここからは、その定義の仕方から始めて、ウェビナー後のフォローの回数と当たる順番までを順に説明します。
認識をあわせる|目的ごとに、ターゲット数か商談数で握る
マーケティングとインサイドセールスが握る数字は、ウェビナーの目的ごとに分けます。認知を狙う回はターゲット数を、商談獲得を狙う回は商談数を見ます。
目的を分けない場合、すべてのウェビナーが今すぐの商談だけで評価されます。この評価では、商談につながりにくい認知や第一想起のためのウェビナーは成果がないと見なされ、実施が難しくなるでしょう。結果として、ターゲットのリードは増えず、商談獲得を狙うウェビナーにも人が集まりません。商談だけを追うほど、商談につながるはずのリードまで減っていく悪循環です。
この悪循環を避けるために押さえておきたいのが、インサイドセールスがウェビナーをどう見ているか、認知を狙うウェビナーを何で測るか、すぐ商談にならないウェビナーの評価の仕方の3つです。まずは、インサイドセールスにとって嬉しいウェビナーと、そうでないウェビナーの違いから見ていきます。
ウェビナーの目的を、認知と商談獲得に分ける
インサイドセールスがウェビナーを「嬉しい」「嬉しくない」に分けるときの基準は、今すぐ商談になるかどうかです。
嬉しい側に並ぶのは、自社の商材に直接関係するテーマで、商談獲得を目的にした自社ウェビナーです。嬉しくない側は、来期のマーケティング戦略やBtoBマーケティングの年間計画といった上流のテーマで、認知や顧客との接点づくりを目的にしたものです。

ただし、この分け方は、今すぐの商談獲得という目線で見たものです。認知を目的にしたウェビナーでも、顧客と接点を持てることは重要だという考えは、インサイドセールスも持っています。
吉村 「前提として、商談獲得の目線でウェビナーを嬉しい・嬉しくないに分けていますが、上流テーマのウェビナーも、お客様との接点を持たせてもらえるという部分では、インサイドセールスにとってすごく嬉しいウェビナーです。参加者数も、上流テーマのほうが多くなります」
上流テーマのウェビナーは、まだ検討を始めていない層と接点を持つための場です。ここをおろそかにすると、相手が検討を始めたときに、そもそも候補に入れません。
アメリカの調査データでは、BtoBの購買者の86%が検討開始の時点ですでに3社の候補リストを持っています。検討中に2〜3社が追加されるものの、最終的に選ばれる企業の92%は、初期の候補リストに入っていた企業です。
(Source: Productly, Google/Bain, B2B Discovery to Devotion Study)

この初期の候補リストに入れなければ、検討が始まってから商談で勝つことは難しく、結局、商談そのものを増やせません。
ウェビナーの最終的な目的は、商談と受注を増やすことです。ただ、時間軸を伸ばして見ると、検討が始まる前に候補リストに入るための認知も欠かせません。
そこで、ウェビナーの目的を、第一想起を取るための「認知」と、商談を取るための「商談獲得」の2つに分けます。1本ごとにどちらを狙うかを、インサイドセールスと事前に合わせておきます。
認知を狙う回は、ターゲット数をKPIにする
認知を狙うウェビナーは、今すぐの商談を目的にしていません。商談数で評価できない以上、何をKPIにするかを別に決める必要があります。
そこでおすすめしたいのが、ターゲット数をKPIにすることです。ターゲット数は、ウェビナーの集客数にターゲット含有率を掛けた数です。ターゲット含有率とは、ウェビナーで獲得したリードのうち、自社のターゲットに当てはまる人の割合です。
認知を狙うウェビナーでは、1本ごとにターゲット数の目標を立てます。この目標を、マーケティングとインサイドセールスで共通の認識として持っておきます。
目標に近づけるうえで効くのが、ターゲット含有率です。集客数が同じでも、ターゲット含有率が高ければ、獲得できるターゲット数は増えます。では、ターゲット含有率を上げるにはどうすればよいのでしょうか。鍵になるのは、ウェビナーの開催の仕方、とくに企画を自社で立てるかどうかです。
FanGrowthが2026年7月28日の開催時点で直近に開催したウェビナーを比べると、自社で企画を立てる自社主催のウェビナーや事例ウェビナーは、ターゲット含有率が高くなっていました。事例ウェビナーが80.0%、自社単独が70.8〜72.2%、自社主催の共催が66.7〜73.9%です。一方、他社が企画を立てる他社主催の共催ウェビナーは、40.3〜65.5%にとどまります。

ターゲット数を増やすなら、ターゲット含有率が高い自社主催のウェビナーを増やしたいところです。ただ、自社単独や自社主催の共催のように自社で企画を立てるウェビナーは、企画から集客までリソースがかかります。
そこで、リソースとの兼ね合いも考えて、他社が企画する共催ウェビナーへの相乗りも組み合わせます。相乗りならターゲット含有率は下がるものの、リソースをかけずにターゲットを獲得できるためです。自社が必要とするターゲット数と、かけられるリソースの状況に合わせて、2つの開催方法でポートフォリオを組みます。
すぐ商談にならない回は、商談から遡って評価する
認知を狙うウェビナーで獲得したリードは、ターゲットであっても、すぐには商談にならないことがあります。そのため、認知を狙うウェビナーの効果は、開催直後の商談数では測れません。
インサイドセールスは、こうしたリードにも開催後にアプローチを続けます。FanGrowthでは、ターゲット含有率が高いウェビナーで獲得したリードに、1か月後や3か月後といった間隔で再アプローチしています。
吉村 「今すぐ商談にはならないけれどターゲット含有率が高いウェビナーは、インサイドセールスとしては再アプローチをKPIとして置いています」
ここでKPIにしている再アプローチ数は、インサイドセールス自身の活動を測る数字です。ウェビナーの評価そのものではありません。
この運用の効果は、数字にも出ています。FanGrowthでは2025年10月ごろに再アプローチをKPIに加え、ウェビナーでターゲットを取るやり方も変えたことで、2026年1月ごろから成果が出始めました。インサイドセールスの定期的なフォローから生まれた、ハウスリストからの商談獲得は約2倍になり、その後も2.5倍ほどで推移しています。

ウェビナーは、この再アプローチを続ける中で商談になったリードを起点に評価します。そのリードの過去の接点を遡り、どのウェビナーで最初に接点を持ったリードかを確かめます。途中でほかの接点を経ていてもかまいません。遡る期間は、おおよそ半年をひと区切りにします。
商談になったリードがどのウェビナーから来たかが分かれば、狙っていたターゲットの設定が正しかったかも見直せます。
半年後に遡るには、ウェビナーを開催した時点から記録を残しておく必要があります。残しておくのは、ウェビナーで獲得したリードと最初に接点を持った日と、その後に商談が生まれた日の2つです。この2つがあれば、ウェビナーが商談に間接的に貢献したことを、半年後に数字で説明できます。
この章のまとめ
- ウェビナーごとに、認知と商談獲得のどちらを狙うかをインサイドセールスと決める
- 認知を狙うウェビナーは、1本ごとにターゲット数を目標にし、マーケティングとインサイドセールスで共有する
- すぐ商談にならなかったリードはインサイドセールスが再アプローチで追い、認知を狙うウェビナーは、半年ほどのあいだに商談になったリードの接点を遡って評価する
では、マーケティングがターゲットを集める約束を果たしたとき、インサイドセールスは何を約束するのでしょうか。
約束を守りあう|フォローは最低でもコール5回・メール3回
マーケティングがウェビナーごとにターゲットの獲得目標を立てて、ターゲットを集める約束を守るなら、インサイドセールスは、そのターゲットへのフォローの回数と内容をコミットし、その約束を守る必要があります。リストにターゲットがいなければ、そもそも商談は生まれません。一方で、ターゲットがいても、フォローがなければ商談にはつながりません。商談は、両チームが互いの約束を守ったときに生まれます。
インサイドセールスがこの約束を守るために押さえておきたいのが、最低でもコール5回・メール3回というフォローの回数とその配分と、誰から当たるかの優先順位の2つです。最初に決めるのは、この8回のフォローをどの日に行うかです。
コール5回・メール3回を、4日間で行う
FanGrowthでは、インサイドセールスからのフォローの電話(コール)を5回、フォローメールを3回と決め、これを絶対条件として守っています。通電率が下がっている中では、行動量とアプローチ量が重要になるからです。この回数は、インサイドセールスとマーケティングで握るルールにし、守れているかどうかも確かめます。
この8回を、ウェビナー当日から4日目までに分けて行います。
吉村 「ウェビナー当日は、終わった後にコール1回、夕方にもう1回。翌日にコール1回、メール1回。3日連続だとご迷惑になってしまうケースもあるので、1日空けて3日以内にコールを1回。4日目にコールをもう1回とメールを1回」

引用には出てきませんが、スライド30のとおり、当日はコール2回に加えてメールも1回送ります。これで、コール5回・メール3回になります。
フォローの優先順位と設問は、両チームで合意する
ウェビナー後のフォローは、参加者全員に当たることが前提です。ただ、インサイドセールスのリソースには限りがあり、全員に同時には当たれません。そこで、誰から先に当たるかの優先順位を、アンケートの回答とターゲット企業かどうかで決め、マーケティングとインサイドセールスで合意しておきます。
フォローの対象を、アンケートで「詳しく話を聞きたい」と答えた人だけに絞っている企業もあります。しかしFanGrowthは、それでは商談の機会を取りこぼすと考えています。
参加者全員に当たる必要があるのは、ターゲット企業から商談を取るためだけではありません。将来ターゲットを広げるときに備えて、ターゲット外の参加者がどんなニーズを持ち、なぜそのウェビナーを見たのかという一次情報も、インサイドセールスが取りに行く必要があるからです。

優先順位は、次の5段階です。
- アンケートの回答で、興味を示している人
- 事前アンケートで、リード獲得に課題があると答えたターゲット企業
- アンケートには回答していないターゲット企業
- その他
- 未参加者
2段階目にある「リード獲得の課題」は、FanGrowthの商材が解決できる課題です。事前アンケートで、自社の商材で解決できる課題を抱えているかどうかを聞いておけば、その回答から、商談につながりやすい相手を見分けられます。自社で当てはめるときも、自社の商材が解決できる課題を、アンケートの設問に入れておくことが重要です。
どんなニーズや企業なら商談を取りやすいかという勝ちパターンは、インサイドセールスがいちばんよく知っています。その知見を設問に反映するためにも、アンケートの設問はマーケティングだけで決めず、インサイドセールスと合意して決めます。
設問を事前に計画しておけば、インサイドセールスは、回答に合わせた効果的なフォローを準備できます。事前アンケートで「リード獲得に困っている」と答えた企業なら、リード獲得で成果を出している企業の事例とシミュレーションを、フォローの前に用意しておけます。
この章のまとめ
- マーケティングはターゲットの獲得目標を立ててターゲットを集め、インサイドセールスはそのターゲットを確実にフォローする。両チームが互いの約束を守ることで、商談が生まれる
- コール5回・メール3回を、ウェビナー当日から4日目までに分けて行う
- 誰から順に当たるかは、アンケートの回答とターゲット企業かどうかで決める。設問は、インサイドセールスの知見を反映し、マーケティングと合意して決める
「リストの質が良くない」という評価は、リストを受け取ったあとのインサイドセールスの動きだけで決まるものではありません。ウェビナーごとの目的、目的に合わせて見る数字、フォローの回数、アンケートの設問。この4つをマーケティングとインサイドセールスが事前に決めておけば、「質」は両チームが同じ数字で語れるものになります。
リストの質は、渡す前から両チームでつくれます。
よくある質問
Q1. ウェビナーの参加者が一般社員層ばかりで、商談につながらない場合はどうすればよいですか?
一般社員層の参加者が多い場合も、ウェビナー後の架電では、参加者個人のニーズやミッションではなく、チームや会社としてのミッションと課題をヒアリングします。当日の参加者に情報収集目的の人が多いこと自体は変えられませんが、架電で何を聞くかは変えられます。
参加者個人の関心を聞くだけでは、情報収集で終わります。会社の課題として聞くと、会社としてどれくらいの効果が見込めるかの話になり、上長が同席する商談につながりやすくなります。案件化する割合が上がるのも、この聞き方の効果です。
Q2. ターゲット含有率が低い他社主催の共催ウェビナーは、やめたほうがよいですか?
ターゲット含有率が低い他社主催の共催ウェビナーも、やめる必要はありません。集客数が多ければフォロー数が増え、インサイドセールスから見ても商談が見込めるからです。ただし、次の2つを事前にインサイドセールスと共有しておきます。
ターゲット含有率は低くても、集客数から見て、ターゲット数がどれくらい見込めるか
そのウェビナーに、どういう目的で出るのか
目的の共有は、ウェビナーの打ち合わせにインサイドセールスも同席すると、さらに確実になります。何も伝えずにリストだけを渡すと、あとから「リストの質が良くない」と言われやすくなります。
Q3. ウェビナー後のフォロー架電がつながったら、そのあとメールは送らなくてよいですか?
通電したあとも、インサイドセールスから参加者へメールを送ります。送る中身は、返信の内容や通話の内容によって変えます。
ターゲット企業であれば、インサイドセールスは顧客と定期的に接点を持つために、施策を検討する時期や決算期の3か月前など、次に接点を持つ日を相手と決めます。その日を再アプローチ日として管理ツールに登録し、お礼メールを送ったうえで、定期的に一対一のメールを送り続けます。





