
【イベントレポート】眠っているハウスリストを、商談に戻す 少人数でも商談に繋がるパーソナライズ化×AI活用のナーチャリング施策
「リードはあるのに、なぜか商談につながらない」──BtoBの現場でこの声が増えています。買い手は営業に会う前に、自分で情報を集めて検討を進めるようになりました。だからこそ、ハウスリストの活かし方そのものを変える必要があります。本記事では、少人数のチームでも商談につなげるための3つの打ち手──お客さまをグループ分けして手間のかけ方を変えること、メールを送ってはいけない相手を確実に外すこと、お客さま自身が情報を取りに来る場所をつくること──を解説します。
この記事は、エキサイト株式会社FanGrowth・株式会社Owl Data・株式会社ファネルAiの3社が共催したウェビナー『眠っているハウスリストを、商談に戻す 少人数でも商談に繋がる"パーソナライズ化×AI活用"のナーチャリング施策』のイベントレポートです。
開催概要
| タイトル | 眠っているハウスリストを、商談に戻す 少人数でも商談に繋がる"パーソナライズ化×AI活用"のナーチャリング施策 |
|---|---|
| 開催日時 | 【ライブ配信】 4月22日 12:00 - 13:00 【アーカイブ配信】4月27日 12:00 - 13:00 / 5月11日 12:00 - 13:00 |
| 参加費 | 無料 |
| 主催者 | エキサイト株式会社 |
| 開催場所 | オンライン |
登壇者

株式会社Owl Data
CRO
城所 秀征

株式会社ファネルAi
代表取締役
野﨑 智裕
大企業向けSaaSを提供するドリーム・アーツ(23年IPO)では執行役員、Sales Markerではマーケティング本部長などを歴任。独立後は、株式会社ロゴラボを設立し「ブランド許諾管理SaaS」を開発・提供、後に事業譲渡。AI・SaaSなどのセールス・マーケティング最適化に精通。現在は、「AIとテクノロジーでオールファネルを最大化」をミッションに掲げ、AIネイティブSFA/CRM/MA「ファネルAi」の開発・提供を行う。

エキサイト株式会社(FanGrowth)
執行役員 兼 SaaS事業部長
大熊 勇樹
オープニング|なぜ眠っているハウスリストから商談が生まれないのか
ハウスリストから商談が生まれにくくなったのは、リードが減ったからではなく、買い手が営業接触前に検討を進めるようになったからです。エキサイト株式会社FanGrowthの大熊は、購買プロセス進行率と候補入りを左右する情報源という、同じ調査の2つの観点からこの構造を読み解きます。
大熊「リードが減っているわけではないですし、ハウスリストが死んでいるわけでもありません。売り手が登場するタイミングが遅くなりました。商談化の勝負は、接触前にすでに始まっています。」
「日本のBtoB大型購買プロセスに関する実態調査」によれば、営業担当者と初めてやり取りした時点で、購買プロセスはすでに42.6%進行しています。課題が明確になっている人は70.4%、必要要件まで把握している人は38.8%、予算把握も39.1%に達しています。
購買候補入りを左右する情報源にも変化があります。同じ調査で、買い手が候補企業を選ぶ際に参考にする情報源を聞いたところ、同規模の企業事例を挙げた人が40.6%、機能の明確さ39.9%、業界での実績33.6%、ウェビナー21.7%、ホワイトペーパー20.3%でした。営業担当者と接触する前に、買い手はこうした情報資産を見て候補企業を絞り込んでいる、ということです。


大熊「顧客育成は、件数を追う仕事から、接触前に候補化されるための情報設計の仕事に変わりました。」
買い手は、企業発信のメルマガやウェビナーを待たなくても、自分で必要な情報を集めて意思決定の半ばまで進められるようになりました。だからこそ、接触前に候補として残るための仕組みが重要になります。
では、こうした構造のなかで、眠っているハウスリストを動かす打ち手は、どこから始めれば良いのでしょうか。
セッション01|ハウスリストを『眠らせない』CRM設計とAI実行スキーム(株式会社Owl Data|城所氏)
ハウスリストが動かない理由は、顧客がもうファネル通りに進まなくなったからです。株式会社Owl Data CROの城所氏は、この前提を出発点に、ティア設計とCRM×AI実行スキームを示しました。
顧客はファネル通りに動かない
最初に提起されたのは、教科書的なファネルの考え方が現実に合わなくなっている、という指摘です。
城所氏「ファネルの考え方がかなり機能しにくくなってきているという話で、特に準顕在層って誰やねん、というところは、強く感じます。」
潜在層から準顕在層、顕在層、検討層へと縦に進む単純な遷移は、もはや実態を捉えにくい。情報収集が容易になった2026年現在は、検討層に至るまでに皆、潜在層段階で情報収集を終えている。検討中だった人が会社の方針変更で潜在層に戻る、というように、行ったり来たりする動きが当たり前になっているといいます。

加えて、シグナルの解釈にも限界があります。資料ダウンロード、メール開封、ウェビナー参加といった行動は、必ずしも「検討中」を意味しない。資料ダウンロード経由のアポ率がメール開封経由より高いのは事実ですが、それでも「ダウンロードしたら検討中」とは限らない、という見立てです。
情報過多の時代、一斉配信は届きにくい
次に、AI時代に入って企業発信の情報価値が相対的に下がっている、という背景が示されました。
城所氏「皆さんもAIで情報収集しますよね。AIを使って調べれば大体のことは教えてくれるので、企業側からのメルマガやナーチャリングのコンテンツを読まなくても、必要な情報は比較的得やすくなっています。」
買い手は、SNSや生成AIを通じて自分から情報を取りにいきます。結果として、自分に関係しない一斉メールはそもそも開かれにくくなる。短期の刈り取り型施策は獲得単価が上がり続け、回収が難しくなっています。ここで重心が移るのが、LTVが高くなる見込みの顧客に対して継続的な関係を構築することです。単発の接点でとにかく刈り取るのではなく、収益が見込める顧客に対して情報提供を積み重ねていくことが鍵になります。

パーソナライズには傾斜をかける ──3軸×3階層のティア設計
ここで示されたのが、ティア設計の考え方です。
城所氏「全員にOne to Oneでコミュニケーションを取るのは、非現実的だと思っています。だからこそ、ある程度傾斜をかけていく必要があります。」
ここで言うティア設計とは、企業属性・担当者属性・ステータスの3軸で顧客を切り分け、ティア1(人+AI)/ティア2(AI生成+人チェック)/ティア3(一斉配信)のようにリソースを傾斜配分する設計です。
3軸の中身は次のとおりです。
- 企業属性:業界・規模・売上帯
- 担当者属性:役職・部署・過去の関心領域
- ステータス:直近90日の接点・過去商談履歴・検討時期
これらの掛け合わせで、ティア1/2/3に自動振り分けする。それぞれのティアの運用は、ティア1が人+AIによるリサーチと1to1のパーソナライズ、ティア2がAIによる自動化+人による最終チェック、ティア3が一斉送信です。


CRM×AIでティア2が回せるようになる
ティア設計を機能させる前提条件が、CRMに何を蓄積しているかです。商談履歴/メール履歴/アンケート/ウェビナー参加履歴/企業情報の5ノードがCRMに揃って初めて、AIがコンテキストを読み取り、相手にマッチしたメール文・ウェビナーテーマ・コンテンツを生成できるようになります。
城所氏「CRMを非常に優秀なデータベースとして、そこからAIを稼働させて、情報を取って施策を回す形になります。今後CRMに情報が格納されていないと、施策は滞りますし、AIの活用も進みません。」

AI活用の効果は、工数の構造を変える点にあります。1通あたり10分かかっていたパーソナライズメール作成が、AIで1分に短縮される。同じ工数で送付量が数十倍に増える。これにより、これまで「量か質か」のトレードオフだったティア2層へのアプローチが、現実的に回せるようになりました。
実践事例では、営業1名あたりティア1が20名、ティア2が200名、ティア3がハウス全体、という運用体制が紹介されました。CRMにデータを格納する設計と、AIで生成するメール文の品質確保を両立できれば、過去商談・失注顧客からの商談獲得数が増えていきます。
セッション02|ハウスリストは眠っているのではなく、見えていない(株式会社ファネルAi|野﨑氏)
パーソナライズは、相手を完全に理解した上での最適解ではなく、こちら側が立てた仮説を当てにいく営みです。株式会社ファネルAi代表取締役の野﨑氏は、この捉え直しを起点に、配信設計の3要素『いつ・なにを・だれに』と、その中で『だれに』の判定が崩れる構造を説明します。
パーソナライズは幻想で、仮説である
セッション開始直後、野﨑氏はこのように述べます。
野﨑氏「目の前の人が思っていることすら分からないなかで、お客さんになっていない人たちが思っていることを理解するなんて無理だと思っています。なので、現実には、勝手に仮説を立てて、勝手に情報を送りつけている。ただ、その仮説の精度をしっかり上げていくのは、すごく重要です。当たれば喜ばれることもあって、みんなが目指しているのもそこです。パーソナライズは幻想で、仮説です。」
理想は「顧客が必要なタイミングで必要な情報を届ける」ことですが、現実には、相手が思っていることを完全に理解するのは難しい。だからこそ、勝手に立てた仮説を相手に当てる、という構造に過ぎないと割り切る。そのうえで、仮説の精度を上げていくことに集中していくべきです。
「いつ・なにを・だれに」というフレームワーク
仮説精度を上げる枠組みとして紹介されたのが「いつ・なにを・だれに」、頭文字をとって「イナダ」です。配信のタイミング(トリガー)・コンテンツ種別・送付対象の3要素で、配信設計を組み立てる考え方です。


「いつ」は、6種類のトリガーで整理できます。
- 定期トリガー(週1回のメルマガなど)
- 企画・告知トリガー(イベント集客や新機能リリース)
- 行動トリガー(資料DL・セミナー参加・クリック)
- ISコールトリガー(架電前後のメール)
- 商談後トリガー(商談メモやアポ翌日のフォロー)
- 顧客状態トリガー(更新月や接触状況に基づく配信)

「なにを」は、相手の検討段階に応じて5段階に分けられます。
- 情報提供(お役立ち情報・業界トレンド・ノウハウ)
- 関心喚起(イベント案内・セミナー・調査レポート)
- 理解促進(サービス紹介・機能紹介・ホワイトペーパー)
- 比較・検討(導入事例・比較資料・FAQ)
- 商談化(手書き案内・無料相談・日程調整)

そして3要素の中で最も難しいのが「だれに」だといいます。
野﨑氏「『だ』が一番難しい部分です。運用そのものも難しいですし、データを正しく整えることや、毎日正しい状態を維持することも、いずれも相当な手間がかかります。」
「だれに」が一番難しい ── 送ってはいけない相手を除外できているか
「だれに」が運用上崩れる入り口は、送ってはいけない相手を除外できているか、という観点です。送ってはいけない相手の除外が運用上できないため、そもそも一斉メール配信に踏み切れない企業が一定数あるといいます。
除外判定の基本は、次の3類型です。
- 営業対応中の顧客
- NG・クレームをもらった顧客
- ターゲット外の企業

運用が崩れる入り口は、登録済みの人をどう管理するかではありません。新しく入ってきた人をその瞬間に判定できるかどうかが、運用の本当の難所になります。
新たに登録された名刺データが、CRM上ではリードとして入ってきたまま、既存の取引先と紐付いていない。この状態だと、「この人は既存顧客の別部署か」を即時に判定できません。結果として、すでに商談中の相手にアポ依頼メールを送ってしまう事故が起きてしまいます。
野﨑氏「Salesforceだとリードに入りますよね。でも、リードに入って取引先情報と紐付いていない、その状態できちんと判定できますか、という話です。これができていないと、もう商談中の相手や、もう契約済みの相手に対して『アポイントください』というメールを送ってしまう。そんな事故が起こります。」
データのツギハギが「だれに」を崩す
「だれに」の判定が崩れる根本原因は、データがツギハギに分散していることです。
商談履歴はCRM、開封・クリックはMA、参加履歴はウェビナーツール、会議履歴はカレンダー、メールはメーラー、議事録は文字起こしツール。データを持っているのに、人物単位で時系列に追えない状態が広がっています。
野﨑氏「CRMに人物情報があって、マーケティングオートメーションでトラッキングも見えている。それでも、きちんと連携しておかないと、その人物がどのメールを見たのか、前回ウェブサイトのどこにアクセスしたのかを時系列で追いにくい。データを持っているのに追いにくい、という問題があります。」

これを既存ツールの組み合わせで解決しようとすると、CRM/SFAに月45万円、リストクレンジングに月20万円、MAに月25万円、合計で月90万円規模のコストがかかる、という試算が示されました。さらに、それぞれを連携させるためのAPI接続・データ同期・名寄せロジックも必要になります。

この解決策が「ファネルAi」です。Google系の業務ツール(メール/カレンダー/ドライブ/会議)を起点に、人物データが入った瞬間に企業情報のクレンジング、マスタとの紐付け、既存フラグとの統合までを一気通貫で実行するAIネイティブのCRM/SFA/MA、という位置付けで紹介されました。
野﨑氏「ファネルAiは、メールやカレンダーの情報から自動的に紐付けて、データベース化と判定までを自動で実行する、というサービスになります。」
紹介された機能のうち、特徴的なのが「本物の返信メール」を一斉送信できる機能です。一般的に営業メールで使われる「Re:」を装う件名は、開封率は上がる一方で、開封直後に営業メールだと分かるため「だまされた感」が残り、担当者やブランドの信頼を損ねてしまいます。
ファネルAiでは、件名で「Re:」を装うのではなく、過去のスレッドを参照して本物の返信として自然に再接触できる設計を取っています。電話で繋がらなかった相手に、追い打ちのメールを送る、といった使い方も想定されています。

セッション03|コンテンツ×パーソナライズ化で行うハウスリスト育成(エキサイト株式会社|大熊氏)
少人数のマーケ・IS体制でも商談を増やせるかどうかは、ハウスリストの質を上げる仕組みと、ISのプッシュに頼らず顧客が自ら情報を取りに来る仕組み、この2つを揃えられるかで決まります。エキサイト株式会社FanGrowthの大熊が、自社で実践している打ち手を共有しました。
やりがちなバイヤージャーニーの実態
まず提起されたのは、「サクセスパス前提」で組まれたバイヤージャーニーが、現実には機能しにくくなっているという問題です。
サクセスパスとは、リード獲得 →IS架電 → 商談化、というように、順調にカスタマージャーニーを上っていく前提の設計を指します。
大熊「サクセスパスという考え方で設計されているケースが多くて、比較的順調にカスタマージャーニーを上がっていく前提で組まれているケースが多いんです。」
結果として起きているのは次のような状況だと大熊は指摘します。
- たまたまタイミングが合った顧客、あるいは押しに弱い顧客がアポイントになる
- 新規リードが入ってくるとISが架電するため、リストが枯渇する
- ターゲット外であっても「アポになる」顧客を優先してしまい、LTVが伸びにくい
- BANT(特にタイムフレーム)が埋まり切らない状態での商談獲得が増える


大熊「弊社もISの架電アプローチを継続していますが、通電率はかなり落ちています。それでも、アポ数自体は伸びています。」
通電しない・タイミングが合わない、という前提に立ち返ったうえで、自社では「ハウスリストの質を上げる」という仕組みを実行しているいいます。
TOFU/MOFU/BOFUをウェビナーで設計する
ハウスリストの質を上げる側の打ち手として中心に据えているのが、ウェビナーを軸にしたファネル設計です。
FanGrowthでは、コンテンツをTOFU(認知層/Top of Funnel)/MOFU(興味層/Middle of Funnel)/BOFU(検討層/Bottom of Funnel)の3層に分けて設計しています。TOFUは共催ウェビナー、MOFUは事例ウェビナー、BOFUは商材紹介ウェビナーが中心です。

TOFUの入り口を強くするのが、共催ウェビナーです。自社主催で企画をコントロールできるからこそ、ターゲット含有率と商談化率を高い水準で維持できる、という考え方です。他社主催のウェビナーへの相乗りでは、テーマが幅広くなりがちで、自社が集めたいターゲットの含有率が落ちやすい、という背景もあります。
自律型顧客を育てる会員サイト「FanGrowth Studio」
MOFU以下のナーチャリングで重要なのが、自律型顧客を育てる仕組みです。自律型顧客とは、ISのプッシュではなく自ら情報を取りに来るタイプの見込み顧客のことで、サクセスパスから外れたまま将来検討する可能性のある層も含みます。ハウスリスト化された後、サクセスパスから外れる層をどう拾うか。ここで紹介されたのが、会員サイト「FanGrowth Studio」です。
大熊「ハウスリストはあくまで点の施策ですが、会員管理は線で関係性を作れるのが、非常にやりやすいんです。会員化していただいているので、個人個人が追いやすい、というのが特徴です。」
会員サイトとは、ハウスリストが「点」の接点であるのに対し、温度感の可視化と1to1育成、サクセスパスから外れた迂回パスへの対応を可能にする「線」の関係構築インフラであるということです。

具体的な動きとしては、ログインしたユーザー1人ひとりに合わせて、表示する動画や資料が並び替わる仕掛けが用意されています。視聴履歴とデモグラに応じてスコアリングが回り、視聴完了が一定数を超えるとマーケ・ISにアラートが飛び、ユーザー側にはポップアップで打ち合わせ提案が表示される、という連携です。
大熊「ISがほぼ介在せず、マーケとコンテンツだけでターゲットリードを育成していく仕組みになっています。」


少人数でも商談が生まれるコンテンツの自動化
FanGrowth Studioは会員サイト運用そのものも、人手を最小化する設計になっています。動画アップロード後のAI自動処理(文字起こし/チャプター作成/編集)を組み込み、字幕付きで公開する運用に絞ることで、コンテンツ生成は最小工数で回せるといいます。
大熊「弊社はマーケ・IS共に少人数で運営している組織ですが、こうした仕組みで、ほぼコンテンツを自動化し、商談を生んでいます。」
成果として、IS1人あたりの月商談数は、直近3ヶ月で約83件まで伸びていると共有されました。半分が問い合わせとハウスリストからの商談で、ハウスリスト由来の商談数は増加傾向にあります。

大熊「なるべく人が介在せずにナーチャリングを進められるか、パーソナライズ化を実現できるか。ここが今後のマーケのポイントになっていきます。」
ISのトークスクリプトを磨くことも大事ではありますが、コンテンツのボリュームと、それをどう当てて、どう見ていただくか。ここに投資の重心が移りつつあります。
FAQ
Q1. 商談化の勝負が「接触前」に移ったとは具体的にどういうことか?
営業担当者と買い手が初めてやり取りする時点で、購買プロセスはすでに42.6%進行しています。課題が明確になっている人は70.4%、必要要件が固まっている人は38.8%に達します。買い手は、ウェビナー・ホワイトペーパー・同規模の企業事例といった情報資産で、営業接触前に候補企業を絞り込んでいる、ということです(出典:日本のBtoB大型購買プロセスに関する実態調査)。
Q2. パーソナライズはどこまでやればよいか?全員に1to1は必要か?
全員に1to1は非現実的です。城所氏は、企業属性・担当者属性・ステータスの3軸で顧客を切り分け、ティア1(人+AI)/ティア2(AI生成+人チェック)/ティア3(一斉配信)にリソースを傾斜配分する設計を提案しています。AI活用で1通10分が1分に短縮され、これまで人手で回せなかったティア2層が、2026年現在は現実的に回せるようになった、というのが前提です。
Q3. 少人数のマーケ・IS体制でもナーチャリングは回せるか?
回せます。FanGrowthの自社運用では、少人数の体制でコンテンツの自動化が回っている事例です。ポイントは、ISのプッシュ型アポに依存せず、会員サイト×コンテンツによる「自律型顧客」育成で、相手が情報を取りに来るタイミングで適切なコンテンツを届ける仕組みに切り替えていることです。動画のアップロード後は、AIが文字起こし・チャプター作成・編集まで自動で処理しています。
Q4. 「送ってはいけない相手」をどう除外すればよいか?
野﨑氏は、営業対応中/NG・クレーム/ターゲット外の3類型を、除外判定の基本として示しています。鍵は、登録済みの人を管理することではなく、新しく入ってきた人をその瞬間に既存DBと突き合わせて判定できるかどうかです。新規流入時の即時判定が崩れると、商談中の相手にアポ依頼を送るような事故が起きます。データのツギハギを解消し、人物単位で時系列に追える状態をつくることが前提条件になります。
Q5. 会員サイトはハウスリストとどう違うのか?
ハウスリストは「点」の接点、会員サイトは「線」の関係構築インフラ、という対比で示されています。会員化していると、個人単位で温度感(視聴履歴・スコア)が可視化でき、1to1育成と、サクセスパスから外れた迂回パスへの対応ができる。FanGrowthの自社実践では、サクセスパスの商談化率が約3%に対し、自律型育成の仕組みを置いた層は約10%まで伸びる、という体感値が共有されました。
Q6. ウェビナーで TOFU / MOFU / BOFU をどう設計すれば良いか?
FanGrowthの設計では、TOFU(認知層)に共催ウェビナー、MOFU(興味層)に事例ウェビナー、BOFU(検討層)に商材紹介ウェビナーを置く3層構造です。入り口の TOFU を強くするのが共催ウェビナーで、自社主催で企画をコントロールできるため、ターゲット含有率と商談化率を高い水準で保てます。他社主催のウェビナーへの相乗りでは、テーマが幅広くなりがちで、自社が集めたいターゲットの含有率が落ちやすくなります。MOFU・BOFU の事例・商材ウェビナーへ進んでもらう前提として、TOFU で「自社が集めたい層」をハウスリスト化できる設計が起点になります。
Q7. CRM・MA・ウェビナーツールにデータが分散していると、ナーチャリング運用は何が崩れるか?
商談履歴はCRM、開封・クリックはMA、参加履歴はウェビナーツール、会議履歴はカレンダーと、データが別ツールに散らばっていると、人物単位で時系列に追えなくなり「だれに送るか」の判定が崩れます。既存ツールの組み合わせで自動判定までやろうとすると月90万円規模のコストとAPI連携・名寄せが必要で、現実的に回しきれません。野﨑氏は、Google系業務ツール(メール/カレンダー/ドライブ/会議)を起点に、人物データの統合・クレンジング・既存フラグ照合までを一気通貫で実行するファネルAiを解決策として紹介しました。






