
【ウェビナーTIPS】失敗事例で学ぶ ウェビナー施策が社内定着しない3つの原因
ウェビナーはリード獲得からナーチャリングまでを担うBtoBの重要施策であり、正しい方法で取り組めば成果は再現できます。
一方で、ウェビナーに継続的に取り組んでいても、こんな状況に心当たりはないでしょうか。
- 集客数は毎回100名を超えているのに、営業からは「商談につながらない」「リストの質が低い」と指摘される
- 開催が担当者一人の頑張り任せで休むと施策ごと止まる上、登壇をお願いしてもなかなか手が挙がらない
- 話題のトレンドに乗って過去最高の集客を得ても、参加者の多くがターゲット外で商談はゼロ
この記事は、そんなお悩みをお持ちの方に向けて、エキサイト株式会社が開催したウェビナー『【ウェビナーTIPS】失敗事例で学ぶ ウェビナー施策が社内定着しない3つの原因』のイベントレポートです。
このイベントでは、エキサイト株式会社FanGrowthにて、グロースパートナーとしてウェビナー・大規模カンファレンスの支援を行う内木より、こうした状況で陥りがちな実際の失敗事例をもとに、ウェビナーが社内定着しない3つの原因を解説し、単発の施策で終わらせず「社内に定着する仕組み」に変えるための考え方をお伝えしています。
| タイトル | 【ウェビナーTIPS】失敗事例で学ぶ ウェビナー施策が社内定着しない3つの原因 |
|---|---|
| 開催日時 | 【ライブ配信】 2026年7月14日(火) 12:00 - 13:00 【アーカイブ配信】2026年7月20日(月) 12:00 - 13:00 / 2026年7月29日(水) 12:00 - 13:00 |
| 参加費 | 無料 |
| 主催者 | エキサイト株式会社 |
| 開催場所 | オンライン (FanGrowth) |
登壇者

エキサイト株式会社 FanGrowth
グロースパートナー
内木 拓哉
前職ではデジタルマーケティング領域のスタートアップ企業にて、LINE・web接客領域におけるSaaSツールのカスタマーサクセス・オンボーディングチームの立ち上げに従事。
2024年にエキサイト入社後、マーケティング部門にて広告・展示会・ウェビナー運営を担当後、現在はCS部門としてセールス・マーケティング領域を中心としたウェビナー・大規模カンファレンスの支援に従事。
まず本編の前に|こんな状況に心当たりはありませんか?

このウェビナーの本題に入る前に、「こんな状況に心当たりはありませんか?」と視聴者へ反応を求めたところ、泣いているスタンプでリアクションもいただきました。

FanGrowthの内木自身もインハウスのマーケティング経験や、現在支援しているマーケターの声から、担当者が抱えるこの状況はどういった原因に紐づくのかについて整理しました。
内木 「これらの症状は、それぞれ評価の方法と運営オペレーション、企画の進め方。この3つが大きく原因として挙げられる部分になっています。今回はこの3つのテーマを題材に扱い、自社の失敗事例もベースとして、実際どういう風にここを解決していくべきなのかというところまで、具体事例なども交えつつ解説していきます」

では、それぞれの原因では何が起きているのでしょうか。
原因①|評価の方法:「何をもって成功か」が曖昧なまま回っている
まず、ウェビナー施策が社内定着しない3つの原因の1つ目「評価の方法」について、①企画・施策への評価、②部門間での評価、③登壇者への評価の3つに分解しました。

内木 「まず評価の方法についてですが、分解すると大きく3つあります。1つ目が企画・施策への評価で、KPIが曖昧だったり、企画内容とKPIが繋がっていなかったりします。2つ目が部門間での評価で、営業とマーケが追っているKPIは異なります。3つ目が登壇者への評価です。登壇するのは結構大変なのに、なかなか評価が返ってこない。他部門の人や上司にお願いすると、やらされてる感が出てしまって乗り気にならないということも起こります。要は、何をもって成功かというのが、施策・部門・個人のどのレベルでも曖昧になってしまっている。そこが課題として多いのではないでしょうか」

BtoBマーケティングでは、ウェビナーや展示会といった主要な「リード獲得」施策でも、商談まで見られるようになってきました。とはいえリード獲得しないと始まらないので「まずは施策を動かしてみよう」と開始したものの、実際は最初の目的や評価、振り返りが決められていなかった……というのは、BtoBマーケではあるあるだと思います。
失敗事例:集客目標は毎回達成、なのに商談が生まれない
実際に失敗事例を見ながら整理していきましょう。

内木 「KPIがただ集客数のみになっていて、100名超えで達成はしています。ただ実際、リストの質が低い、商談に繋がらないという形で営業からフィードバックをもらい、結果として、社内の登壇依頼なども断られるようになってしまう。マーケのKPIは達成しているのに受注増えないよね、商談増えないよねというところでねじれが発生して、ウェビナーってやってる意味あるんだっけ、と継続が危うくなってしまうというケースがあります」
このような、集客目標は毎回達成しているのに、商談が生まれないといった状況に陥るケースは少なくありません。 こうなってしまう理由は大きく2つあります。
内木「集客数だけを追ってしまったことですね。ターゲット含有率や商談化といった指標がありませんでした。もう1つは、マーケティングの目標は達成したけれど、部門全体の成果に直接つながっていなかった点です」

リード獲得しないと始まらない、という一方で、そこはあくまで入口。その先のゴールを見据え、リード獲得をゴールにしないというところがポイントなんですね。
実際に、FanGrowthでも過去に「集客できているのに商談が生まれない」という課題を経験しています。
集客できるのに商談が生まれない現象が起きているとき、その背景には「ターゲット含有率が低い」という課題が潜んでいるかもしれません。

左側の集客を重視していた時期の企画では、「BtoBマーケティングの○○」「営業DX」「リード育成」など広いテーマを実施しています。その結果、リードは集まるものの、ターゲットは少なくなっていました。
一方で、右側のようにターゲット起点の企画に変更した際は、ニッチではあるものの「イベントをどう作るのか」「ウェビナー企画運営をどう戦略立てるのか」など、ウェビナー支援のサービスにつながるテーマや、「SaaS企業が実践する」など、ターゲット企業が反応するキーワードを直接入れています。
これによって、同じリード数が集まったとしても、右側のほうがターゲット含有率は高くなりました。分かれ目は、企画を「誰に向けるか」から組んだかどうかにあります。
では、このニッチなテーマ、どのように絞り込んでいったのでしょうか。
ポイントは、「誰」の「痛み」を具体的にすることでした。
株式会社ベーシックの事例では、マーケのWeb担当者を「誰」に据え、その人が抱える痛みをそのまま見出しにしています。「AI検索時代の"答えに載る"導線設計」「成果に繋がるコンテンツ制作」といったテーマがそれにあたります。痛みを具体にすると、ターゲット含有率は大きく改善します。

内木 「数年前は、BtoBマーケの○○といった広めのテーマでも結構人が集まっていました。ただ、今はウェビナーの数も増えて乱立してきてしまっているので、キーワードを絞った方が集客は逆にしやすいなという印象があります。絞り込んでみるのがおすすめです」

ターゲットを絞るとリードも獲得できなくなるのでは……と怖くなってしまうのですが、騙されたと思ってターゲットを絞り込むことで、実はターゲットが増える、集客自体も増えるという事例もたくさんあります。もし、集客は安定しているのにその後の商談に繋がらない……とお悩みの方は、思い切って「責任者向け」などターゲット属性をタイトルに入れてみるだけでも変わるかもしれません。ぜひ試してみてくださいね。
ポイント①:営業もマーケも「同じ指標」を追う
「評価の方法」でまずポイントになってくるのが、営業もマーケも「同じ指標」を追うということです。
内木 「営業とマーケで追っている指標が違うと、結果的に事業成長に繋がらないので、同じ指標を見ましょう、という話です」

ビジネスサイド全体の共通KGIである受注数・受注金額をベースに置いている場合、部門ごとのコアKPIだけを集中して追っていると、受注までマーケが追うとなったときになかなか紐づけづらく、時間もかかってしまいます。
内木 「重要なところとしては、隣接する部門と重なるKPIを持ちましょう、というところです。例えばマーケとインサイドセールスでいけば、ターゲットの含有率。しっかり受注・商談の見込みとなるようなお客さんのリードを提供できているかどうか、ここをマーケとインサイドセールスで一緒に追っていきましょうという話ですね。インサイドセールスとフィールドセールスの部分でいくと、なんでもかんでもアポを振るではなく、しっかりと案件化する商談を獲得できているかどうか。ここを一緒に追っていくと、分断は起きづらくなります」
でも、なかなか実行が難しいですよね。
そんな方におすすめな実行のコツは、ウェビナーをやったら当日と翌日中にインサイドセールスと話す時間を取ることです。月1回の振り返りリストに入れておくだけでは回らないため、1ウェビナーを開催するごとに振り返りを入れることがポイントになります。
内木 「インサイドセールスの方とのコミュニケーションはすごく重要です。インサイドセールスがターゲット含有率を追うとはどういうことか、と思われる方もいらっしゃると思います。おすすめなのが、インサイドセールスの方と一緒に企画を考えることです。現場で実際にお客さんとコミュニケーションを取っているのはインサイドセールスの方が一番多く、何がペインなのか、どこに価値を感じている人が多いのかを一次情報として言語化できるのが現場サイドです。それをキーワードに置き換えて企画に落とし込むと、申込みが伸びることも起きています」

マーケだけで企画を考え、インサイドセールスは架電に集中……となりがちですが、両者がお客様の一次情報をもとに一緒に企画を考え、共通の指標を追うことで、企画から架電までのつながりが一本の線になります。
ポイント②:「表面的な数字」だけを見ない
「評価の方法」で次にポイントになってくるのが、「表面的な数字」だけを見ないということです。
ウェビナー施策は「集客数が○件だった」「商談取れた?」で評価されがちな一方、直接反響だけでなくナーチャリング(見込み客の育成)の要素が大きいため、商談数を改善するには集客数と商談数の裏にある中身と過程もしっかり見ていくことが重要です。

リードの段階では、何件取れたかだけではなく、その中にターゲットがどれだけ含まれていたか、業界・役職・職種・規模のカットに加え、資料請求希望や個別面談希望といったMQL(マーケティング側で有望と判断したリード)の含有もしっかり評価しましょう。
内木 「特に商談の段階では、ラストコンバージョンだけが見られがちです。ただ、いざ蓋を開けてみると、3か月後・半年後に意外と起点となっていたり、中間でウェビナーを見ていますというところで効いてきているケースは多いです」
とはいえ、経路をすべて追うアトリビューション分析は組み合わせが複雑になり、難しい場合もあります。
その中で、評価する最初の一歩として有効なのは受注関与率を見ることです。ウェビナーの受注関与率を測る場合、受注した企業が受注までに触れた接点を集計し、そのうちウェビナーがどれだけ関与していたかを計算すると、裏側に隠れた数字も見えてきます。
ポイント③:登壇者を「やる気」にさせる
「評価の方法」で最後にポイントになってくるのが、登壇者を「やる気」にさせるということです。
社内に登壇者がいない、やらされている感があるといったお悩みも多い中で、ここを分解してみると、登壇しても評価につながらない、登壇したウェビナーの成果が見えず共有されない、そもそも成果に繋がるのか懐疑的、という3つが出てきます。

解決する方法として、構造や文化をつくるために3つの方法があります。1つ目は、登壇を評価(行動KPI)に紐づけることです。
内木 「ここは、マネージャーや責任者の方とすり合わせが必要ですが、要は、登壇して損しない状態をちゃんとつくってあげましょうということです」
2つ目に、開催後の成果とフィードバックを本人へ届けること、です。特にフィードバックに関しては、定量的な成果だけである必要はありません。
内木 「登壇後のフィードバックが集客何件だった、商談どれぐらい取れたなど、定量的な成果の報告だけだと、数値が芳しくない場合に苦しくなってきてしまいます。そこで、満足度が高かったですよ、アンケートでこういう言葉もらっていますよ、といった間接的な部分も含めてフィードバックをする時間をきちんと作りましょう。そうすることで、登壇者とマーケ、二人三脚で進めていけます」
3つ目は、登壇依頼を断られてしまう場合に、まずマーケが登壇して成功体験を作り、その成果で他部門や上司を納得させるという進め方です。
内木 「登壇依頼が断られるということは、会社としてウェビナーに一定懐疑的なのかなと思います。その場合は、まずマーケが登壇して、成果としてウェビナー施策の成功体験を作ることによって、他部門や上司を納得させていくという方法が有効です」

- 👉 Check! ウェビナー形式別の商談化率の目安は?
集客したリードのうち商談につながる割合の目安は、ウェビナーの形式によって変わります。企画をどこまでコントロールできるかで、集客リードの内訳が変わるためです。
ウェビナーの形式 | 商談化率の目安 |
|---|---|
カンファレンス | 1% |
共催ウェビナー(自社) | 3〜5% |
共催ウェビナー(他社) | 1〜3% |
自社単独ウェビナー | 7〜10% |
自社で企画した共催は着地もターゲットもコントロールしやすく、他社から誘われた共催は自社のソリューションから離れやすいぶん目安が下がります。100名参加で10商談(商談化率10%)、そこから1受注(成約率10%)が計算例になります。

ここに挙げた数字はあくまで目安です。3回、4回と続けて下回るようなら企画の中身かインサイドセールスのアプローチを見直す、とあらかじめ決めておくと、振り返りのときに迷いません。
原因②|運営オペレーション:仕組みではなく「個人の頑張り」で回っている
次に、ウェビナー施策が社内定着しない3つの原因の2つ目「運営オペレーション」について、よくある課題を3つに分解しました。

内木 「運営オペレーションの部分も、工数・タスク量とオペレーションの属人化、役割分担の3つにカテゴリ分けができます。1つ目の工数・タスク量でいくと、メールを作って、企画を作って、LPを作って、バナーを作って、スライドも作って、登壇内容も調整して、ステークホルダーも多い。やることが多くて1開催あたりの負担が大きく、結果として手いっぱいになって、他の施策に手が回らなくなってしまう。2つ目のオペレーションの属人化は、担当者に依存してしまっているということですね。3つ目が役割分担です。登壇者が運営業務まで兼務して疲労してしまう。逆に、マーケの人がそのまま登壇も兼務しているパターンもあります。役割がちゃんと分けられている会社だとしても、相互丸投げが起きてしまう。マーケから登壇者へ『後よろしく、スライド作成よろしくお願いします』と渡して、中身がない状態でタイトルだけあるスライドになってしまう。逆もしかりで、登壇者から『なんでマーケ作ってないの』と言われてしまうこともあります」
3つのうち、いちばん見えにくいのが属人化です。手順もノウハウも担当者の頭の中にあるため、その人が回している間は問題として表に出てきません。

ウェビナー運営でよく聞くのが、現場を支えてくれている職人さんで成り立っている、というお話です。連絡もスライドの下準備も、よく気がつく人が実は縁の下を支えてくれていて、みんながその上に乗っかっていた、という状態ですね。蓋を開けてみると「うわ、めっちゃ大変なことやってたんだね」となる、という話は本当によく聞きます。
失敗事例:担当者1人の異動で、施策ごと止まった
こちらも失敗事例から見ていきましょう。担当者1名でウェビナー運営を回していて、手順もノウハウも本人の頭の中だけにあったケースです。

内木 「この失敗事例では、担当者の中に手順もノウハウも入ってしまっていて、1開催あたり50時間ぐらいかけている。登壇者も運営を一部兼務して疲労。結果として担当者の方が異動したら、もう施策が止まってしまう、開催ができないという状態ですね。背景としてはオペレーションが属人化していて、仕組みではなく個人の頑張りで回っていた」
担当者1人が属人的にウェビナーを回している場合、異動だけではなく、長期休暇や登壇者の退職などで担当者が現場を離れると、施策自体が止まってしまいます。この状態でウェビナー施策が一度止まると、再開しようとしてもノウハウが残っておらず、立ち上げからやり直しになります。

気がつく人が1人でやってくれて回っている時はいいのですが、人間って疲れるんですよね。1日ずっと、自分だけしか分からない気を使う業務をやっていると疲れてしまう。異動という形にならなくても、そこからウェビナーの運営が難しくなってくる、という経験は、マーケターの皆様なら共感される方も多いと思います。
施策を止めないために必要なのは、担当者に余白を作ることです。では、その余白はどう作るのでしょうか。
ポイント①:1開催あたりの工数を最小限にする
「運営オペレーション」でまずポイントになってくるのが、1開催あたりの工数を最小限にすることです。手順の型化も必要ですが、それだけでは工数は思ったほど減りません。打ち手は次の4つです。

コンテンツで勝負し、デザインは最小限にする。バナーはテンプレートを2〜3種類用意し、色・テキスト・素材を差し替えるだけにする。話す内容はテキストでまとめ、スライド化はAIに任せる
パネルディスカッション形式を採用する。トークをメインとして、スライド作成の負荷を軽減する
録画配信を活用する。工数をかけずに施策回数を増やす
ウェビナー配信ツールを活用する。申込フォーム・アンケート・各種メール設定などツールがバラバラだと工数削減は難しいため、オールインワンツールを使う
4つのうち、いちばん迷うのが1つ目の「デザインを最小限にする」という判断です。
内木 「1番重要なのはタイトルなので、コンテンツでちゃんと勝負しましょうという話です。今日の登壇スライドも、実際にAIが一部作っています。大事なのは何を話すのか、何を伝えるのかなので、そこのコンテンツが効いてきます」

1人や兼務で工数がかかっている状態を型化しても、やっぱり工数はかかるんですよね。手順を整えるだけでは総量が減らないので、まずは1開催あたりの工数そのものを減らすこと。そうしないと、成果を出すための安定した施策になりません。
ポイント②:「誰が何をやるか」をマーケと登壇者ですり合わせる
「運営オペレーション」で次にポイントになってくるのが、「誰が何をやるか」をマーケと登壇者ですり合わせることです。マーケは企画・運営準備をメインとし、登壇者は自分の経験から出るナレッジや具体例をコンテンツにすることに集中します。

いちばん迷うのが、登壇資料の線引きです。KPI設計・企画作成、共催先の選定・調整、集客はマーケが持ち、当日の登壇は登壇者が持ちます。登壇資料だけが両方にまたがり、マーケがテンプレートを用意して、中身の一次情報は登壇者が出す形になります。
内木 「マーケが全部作ったものをそのまま話すだと、熱量も込もりませんし、棒読みになってしまう。それだったらもうマーケの人が登壇すればいいじゃん、という話にもなります。上司の方、営業の方ならではの視点として持っているナレッジや経験談、一次情報も、しっかりここをコンテンツ化してもらう必要があります」
運営オペレーションで押さえるのは、1開催あたりの工数を最小限にすることと、誰が何をやるかを決めることの2点です。


原因①で見た評価の設計をやって、間接的な評価まで見ていくと「結構出てるじゃん」「意外と見えるよね」となりますし、企画をちゃんと練っていけば成果も出てくると思います。ただ、いくらAIが進化したと言っても、人がある程度の業務をやらないといけません。だからこそ工数を減らすところは、定着して安定的に回すためにやっぱり必要なんですね。
内木 「手を抜くところは抜いて、ちゃんと時間をかけるところに時間をかけましょうという話にもなります。それが、次の企画の進め方というところにも繋がってきます」
原因③|企画の進め方:トレンド頼みの「ギャンブル企画」になっている
最後に、ウェビナー施策が社内定着しない3つの原因の3つ目「企画の進め方」です。テーマをその都度トレンドから探していると、当たった企画があっても、なぜ当たったのかが手元に残りません。
失敗事例:トレンド企画で過去最高の集客、商談はゼロ
こちらも失敗事例から見ていきましょう。話題のトレンドテーマで単発ウェビナーを企画し、申込は過去最高の150名を集めたケースです。

内木 「この失敗事例では、話題のトレンドテーマでやりました。申し込み150名行きました。ただ、参加者の大半はターゲット外で商談はゼロ。翌月はまた新しいトレンドを探していく必要がある。これは当たっても再現できないですよね。ナレッジも残らないので、ギャンブル企画になってしまう」
敗因は2つです。1つは、ペルソナ・USPに紐づかないテーマで、人は集まるのに狙った相手には響かない企画になったこと。もう1つは、全体設計がなく、成功・失敗の学びが次の企画に活きなかったことです。
ただし、トレンドを扱うこと自体が問題なのではありません。
内木 「トレンドがダメというわけでもないと思っていて、それをちゃんとこのペルソナの人に合わせて、もう少し咀嚼して、『あなただったら例えばこういう風に考えていくべきだよね』みたいなところまで落とし込めると、すごく価値は出てきます」
ポイント①:全体設計からブレイクダウンする
「企画の進め方」でまずポイントになってくるのが、全体設計からブレイクダウンすることです。ペルソナ設計から競合分析・USP確認、コンテンツ全体設計へと進み、最後に個別のウェビナー企画へ落とし込みます。

テーマは「誰の・どんな課題を・どのUSPに着地させるか」で決め、開催結果をもとに全体設計へ立ち返って見直します。この流れの中で、企画の独自性を決めるのが競合分析・USP確認です。
内木 「例えばトレンドだけ話すウェビナーがあったとします。これって別に、その会社がやる意味はあまりありません。トレンドを踏まえて、うちとしてはこういう見解を持っています、なぜなら、というところで、誰に向けて話をしているのか、その会社ならではのUSP、強みも、ちゃんとコンテンツに落とし込んでいきましょう」
個別企画から作り始めていたなら、前段の設計ができていたかを見直すところからになります。
ポイント②:TOFU / MOFU / BOFUでファネル別に企画を作る
「企画の進め方」で次にポイントになってくるのが、ファネル別に企画を作ることです。潜在層・準顕在層・顕在層のどこを狙うかに合わせて、目的とKPIをそろえた企画を用意します。この3段はTOFU(Top of Funnel)、MOFU(Middle of Funnel)、BOFU(Bottom of Funnel)と呼び分けます。

TOFUは情報収集が目的で、課題に気づき始めた層に自社を知ってもらう段階です。KPIは申込数・新規リード数になります。MOFUは検討促進が目的で、解決策を探している層の理解を深める段階です。KPIはサービス資料希望数を置きます。BOFUは商談獲得が目的で、具体検討中の層を商談・個別相談へつなぐ段階です。KPIは商談化数・商談化率になります。
ずれが起きるのは、狙う層と話す中身が食い違うときです。
内木 「情報収集層を取りたいんだよねと言いながら、サービス紹介の話をたくさんするみたいな。言っているテーマとKPIは絶対に紐づかないですよね」

情報収集の人に向けてきっちり訴求していかないとリストは増えませんし、かといってリードを取りっぱなしにしていては、商談も受注も生まれません。情報収集・検討促進・商談獲得に分けて企画を立てるのは、めちゃくちゃ重要です。
ポイント③:二次利用で1本の企画の成果を最大化する
「企画の進め方」で最後にポイントになってくるのが、二次利用で1本の企画の成果を最大化することです。1本の企画をアーカイブ配信・オンデマンド配信・イベントレポート化に展開し、追加の企画工数をかけずに成果を積み増します。

アーカイブ配信:日時を指定した見逃し配信で、当日参加できなかった層にも追加コストほぼゼロで届ける
オンデマンド配信:期間を指定して常時視聴を受け付け、サイト来訪者への恒常的なCV(コンバージョン)コンテンツにする
イベントレポート化:録画データをAIで文字起こし・要約し、記事やホワイトペーパーとして二次利用する
内木 「毎回毎回企画を作って、毎月毎月回して、結構大変だと思うんです。なので、アーカイブ配信だったりオンデマンド配信、イベントレポートなどを使って、1回のウェビナーの企画を終わりではなく、しっかりと二次利用に結びつけて、マーケチャネル全体を見て成果の最大化に寄与していきましょう。今回の企画もそうなんですけど、ライブとアーカイブで同時集客をかけたりもします。大体、集客数は1.5倍ぐらいになります」

1.5から1.6倍ですね。例えばライブで50人申し込んでいただいたら、アーカイブを2回やって、1回あたり12〜13人ずつ、合わせて25人ほどが積み上がります。私自身、実務者としても本当にそう思います。ウェビナーは絶対にアーカイブ配信をした方がいいです。
3つのうち、オンデマンド配信だけは使いどころが少し違います。
内木 「普遍的な、キラーとなるコンテンツを見つけた時に、しっかりウェブサイトに常設で置いておいて、ホワイトペーパーのような位置づけで、中間コンバージョンポイントとして設けておくのもありです」
3つ目のイベントレポート化が効くのは、外部のライターだけで書いた記事からリードや商談が生まれにくくなっているためです。


いわゆる永久記事、検索で上位を取り続けることを狙って書く記事が、AIの影響を強く受け、今まで通りリードが獲得できなりました。いまはAIが非常に中心になってきていて、今後この流れが加速すると、一次情報をいかに記事に入れるかが肝になってきます。いくら文章がうまくても、外部のライターさんだけで作った記事でリードや商談・受注が生まれるのは、めちゃくちゃ難しくなってきています。だからこそ、一次情報としては絶対にウェビナーを使いましょう。
内木 「SEO支援のお客さまに聞いたのですが、今評価されているのは、網羅性と独自性のあるコンテンツだと言われています。「○○とは」というところである程度解説をしている網羅性と、その独自性。ウェビナーは一次情報のかたまりです。それがまるっと記事化できるところは、評価されやすくなります」
ファネル設計の落とし穴:ハウスリストは製品を「知っているつもり」
ファネル設計を丁寧にやるほど、ハウスリストで足をすくわれることがあります。

ファネルで考えると、一番初手は商談獲得の比較検討層です。製品サービスをきちんと訴求して、まずはそこに興味がある人を取りたくなりますよね。ただ、紙の上ではそのとおりでも、ここに1つ落とし穴があります。ハウスリストにいらっしゃる方の多くは、実は皆さんの製品サービスを「知っている」つもりになっているのです。最近、製品サービスのウェビナーやホワイトペーパーに反応が良くないという場合は、その「知っているつもり」の方に送り続けているのかもしれません。

打ち手は、製品訴求から課題訴求への切り替えです。株式会社NTTデータの事例では、RPA製品のWinActor®を「RPAとは何か」から訴求するのをやめました。代わりに「業務効率化」「コア業務に集中できて、生産性の高いバックオフィスの実現」という課題で訴求しています。

課題の見つけ方には手順があります。まず自社のサービス名から、それが属するカテゴリへ1段上げます。次に、そのカテゴリが世の中で何を解決すると思われているかへもう1段。さらに、その解決の先にある課題まで上げます。RPAなら、カテゴリは自動化だと思われていて、その先の課題は生産性向上です。

2段上げると、そのテーマで発信している会社は少なくなります。一方で、生産性向上という課題で並ぶのはRPAだけではなく、AI、BPM、チャットボットにも広がります。比較の土俵は広がりますが、そこで選ばれると強くなります。
この切り替えの結果として、広告費50%削減で同数リード獲得、受注リードタイム最大80%削減という成果が出ています。


製品サービスだけを訴求していると、「知っているつもり」で動いていなかった人にずっと訴求し続けることになり、受注までの時間が長くなってしまいます。新しいリード、新しい訴求をしていただくことで、リードタイムも短くなってきました。自分たちのハウスリストは製品サービスを知っているつもりの人が多いな、という場合は、訴求方法を課題に変えてみてください。
企画の進め方で押さえるのは、全体設計から降ろすこと、ファネル別に企画を作ること、二次利用で成果を最大化することの3点です。

「評価・運営・企画」の3つを改善し、ウェビナー施策の社内定着へ
一見バラバラに見える「評価」「運営」「企画」の悩みですが、実はすべて裏でつながっています。
「評価」が曖昧だと登壇者の協力が得られず、「運営」が重すぎると企画を練る時間が奪われ、「企画」が単発だとどれだけ頑張っても商談には結びつきません。どれか1つでも欠けると、ウェビナーは社内に定着しづらくなります。

一度にすべてを変える必要はありません。自社でいま一番気になるポイントから1つずつ進めていくのがおすすめです。
集客目標は達成しても商談につながらない場合:まず「評価」で営業とマーケが「同じ指標(ターゲット含有率など)」を追う
タスクが多く「個人の頑張り」頼みになっている場合:まず「運営」で1開催あたりの工数を最小限にし、型化やAIで“繰り返しの手間”を抑える
トレンド頼みの単発企画で成果が安定しない場合:まず「企画」で全体設計から落とし込み、TOFU / MOFU / BOFUのファネル別に設計する

ウェビナーは本当に有効な施策です。3つの仕組みを一気に整えるのは大変ですが、まずは手を付けやすい場所から見直してみませんか?「どこから着手すべきか判断がつかない」「自社に合うKPIの立て方を知りたい」などでお悩みの際は、ぜひ無料の壁打ち・企画添削をご活用ください。
FAQ よくある質問
登壇内容から、実務でつまずきやすい論点をまとめました。
Q1. ウェビナーの年間スケジュールはどう立てればよいですか?
通期の受注件数から必要な商談件数を出し、それをカレンダーにならして落とすところから始めます。今月は商談100件、来月は20件という置き方では回らないためです。BtoBでは営業が顧客に提案する機会があるぶん、商談をならして取る必要があります。ならした計画に対して、展示会やウェビナーといった施策ごとの計画を立てます。年間スケジュールではラストタッチで立てざるを得ないため、月1回は別に、受注した人が触れた間接的な評価を行います。
Q2. メインターゲットのリストはどう整理すればよいですか?
業種や従業員数といった属性は、付けるしかありません。ただしターゲットの調査はAIで自動化できるようになってきているため、それを使ってターゲット条件を付け、リストを整理するのが現実的です。
Q3. 担当者1名でもウェビナー施策を回し続けるにはどうすればよいですか?
先に1開催あたりの工数を削ります。1開催に約50時間かけている状態では、手順を型化しても負担は残るためです。デザインは最小限にしてバナーはテンプレート2〜3種類の差し替えにし、スライド化はAIに任せます。パネルディスカッション形式や録画配信を使い、申込フォームやメール設定はツールを一本化します。そのうえでマーケと登壇者の役割分担を表にして、手順とノウハウを担当者の頭の外に出します。
Q4. 営業や上司がウェビナー登壇に前向きでない場合、どうすればよいですか?
登壇しても評価が本人に返らないことが理由なので、まず登壇を行動KPIに紐づけます。開催後には、集客数や商談数だけでなく、満足度やアンケートに書かれた言葉も届けます。会社としてウェビナーに懐疑的な段階なら、順番が変わります。まずマーケが登壇して成功体験を作り、その成果で他部門や上司を納得させます。






