カスタマージャーニーから考える、顕在顧客と関係性を育み続ける企画の考え方

目次

第4部では「カスタマージャーニーから考える、顕在顧客と関係性を育み続ける企画の考え方」というウェビナーテーマで、株式会社PLAN-Bのマーケティング部メディア責任者 松本 健吾 氏と株式会社オプトのメディアコミュニケーション本部 セールスイネーブルメント部 永井 優貴 氏が、自社のサービス紹介以外の内容をウェビナー企画に取り入れることの重要性について語りました。また、自社で提供している検索を増やすためのサービスやメソッド、自社の立ち位置やカスタマージャーニーについても語られています。

(ファシリテーター:エキサイト株式会社 執行役員 大熊 勇樹)

対象者

  • ウェビナーの運営について学びたい人
  • マーケティングの新規リード獲得に興味がある人
  • カスタマージャーニーの作成や改善に取り組みたい人
  • 自社のサービスや商品のプロモーション方法を探している人
  • マーケティングにおけるKPI設定について理解を深めたい人

なぜウェビナーに注力してきたのか

大熊:ウェビナーを一人で回していくという前提で考えたときに、両者ともにみんなすごい力を入れられてらっしゃるなという印象があるので、まずはなぜ注力されてきたのかというところから簡単にご紹介いただきたいと思っています。松本さんからご紹介いただいてもよろしいでしょうか。

松本 氏:はい、カスタマージャーニー上避けられなかったみたいなところが正しいかなと思ってまして、改めてちょっとそこの話からしていくと、SEOに興味を持つみたいな段階、課題に気づくみたいな段階と、商品にたどり着くみたいな段階に分けて、ステージを分けて、今お客さんってどういうことに興味があって、そういった方がどういう状態になってもらえると次のフェーズに進むかなみたいなものをまず最初に考えていき、じゃあその状態の時ってどこで情報収集をして、どんな情報なら見てくださるのかなっていうのを書き出していったんですね。

その際に、ウェビナーというチャネルが、程よく興味関心があり、その方を引き上げていくというふうなところで避けて通れない、真ん中に来る存在だったなというところがあり、注力していくことになったかなと思ってます。


SEARCH WRITE(サーチライト)というプロダクトが、オウンドメディアの運用とかSEO対策みたいなところの支援をしているようなプロダクトだったので、本当にWho? What? How?って考えていたときに、SEO担当の方ってやっぱりSEOがわからなかったりとか、今なんとなくやっているけど、これで上手くいくのかなみたいな悩み事を抱えていて、結構、そういうときにウェビナーだったりとか、検索してメディアに到達したりみたいなことが主要なチャネルとしてあるなというところが、僕自身も自分でメディアをやっていてすごく感じるところではあったので、もうウェビナーやらざるを得ないなというところですごく注力していくようになったのが最初のきっかけですね。

大熊:それでは、永井さんからもぜひお願いいたします。

永井 氏:ちょっと、粒度が違う話になってしまって恐縮なんですけれども、私たちは先ほどもお伝えしたように、まだ2年目とかの走り始めっていう形になっていて、これまでオプトはお問い合わせや紹介経由で新規のお客様との接点を作っていたんですけれども、やっぱりそれだけだと見立てが立てられなくて、ボリュームやコントロール、来年はどのくらいのお客様と新しい接点が取れるかなみたいなのが未知数になってしまうところがあったのと、市場の変化に応じて能動的な活動を、全社的にもどんどん取り組んでいこうという方針になった事もあって、自社のマーケ組織が立ち上がったということになります。

初めてだったので、ハウスリストも本当にゼロに近い所から、まだまだこれから新しいお客様との接点を作らなきゃいけないっていうところが一番の課題だったので、そこの課題に対してどういうチャネルが一番新しい新規の接点を取れるチャネルなんだろうと考えたときに、まずはウェビナーが効率的にできるんじゃないかっていうところでやり始めたような形になっています。

ウェビナーのKPIとその目標値

大熊:PLAN-BさんはウェビナーのKPIをどういうところに持たれてるんでしょうか。

松本 氏:PLAN-Bではウェビナーのマーケティングでいうと、獲得リード数、そこからの商談、有効商談っていうところを、KPIとして持ってはいるんですが、ウェビナーごとで、このウェビナーは人を集める位置付けだよねとか、このウェビナーは商談作る位置付けだよねみたいな形で、全体としては商談とか有効商談とリード数で持っておきつつ、ウェビナーごとで、目標値は分けて持つみたいな感じにしてますね。

大熊:オプトさんはいかがでしょう。

永井 氏:弊社も結構考え方は似ていまして、弊社のサービスとしてなんですけど、商談までだったりとか、受注までのリードタイムが長い商材にもなってくるっていうのもあるので、ウェビナーという軸でいうと、新規のリードを取るっていうところが割とメイン、ウェビナーの内容によっては、転換を目指すようなウェビナーとかも企画はしてたりはします。

営業部門とマーケティングの信頼関係構築

大熊:まさに今、そのKPIのところと紐づいてくる部分があるかなと思うんですが、ご質問をちょっと1個いただいていて、「立ち上げ当初のため、なかなか営業部門がマーケティングを信じきれていない状況です。説得力、発言権を持つには成約実績と考えていますが、成約実績以外にアピールできる指標はございますか。」

松本 氏:そうですね、これPLAN-Bで言うと、社内として割と協力的だったので、めちゃくちゃそこで困ったってほどではなかったんですが、社長の承認を得れていて、もうそこから社長が重要性を説いていくみたいなところがあって、まずキーマンとなるこの人は知ってもらおうというアプローチは効果的なんじゃないかなと思ったりします。なので誰がその重要さを理解し話すかみたいなことは大事かなと思ったりしてますね。

永井 氏:弊社も、社長と役員が結構ここにコミットしてくれてる形になるので、誰が言うかっていうところ、やっぱりそこが本当に大事だよっていうのを皆さんに伝えてくださったっていうところと、あとは私たちは成約っていうところまであんまり見てない、ウェビナーというチャネルに関しては、成約が出てないからどうっていう主語にあんまりしないようにしてます。

というのも、やっぱり外部要因が大きいのと、どうしても営業の提案だったりとか、お客様の決裁のタイミングだったりとか、ウェビナーが悪かったから成約しなかったっていうことだけに留まらない話だと思っているので、まずはお客様との接点を作るという、ファーストミーティングだったりとか、商談みたいなところが取れることが大事だなと思ってたりもするので、必ずしも受注・成約みたいなところだけで見てないです。

大熊:改めて注力しているウェビナーの良さ、強みみたいなところを、松本さんからお話をお願いします。

松本 氏:こういったウェビナーに参加されている方はよく分かってらっしゃるのかなと思うんですが、文字以外の話し方、間の取り方、言葉の重みみたいなところから、ホワイトペーパーだったり、記事とは全然違う情報量が込められるのかなと思って、そこがすごく良いなというふうに思っています。

営業に登壇してもらったり、カスタマーサクセスに登壇してもらったりしているんですが、やはりここで人間味が見えてたりだとか、この人信頼できそうだなっていう、言語化の難しい部分かもしれないですが、信頼感を作るみたいなことができるのがウェビナーはむちゃくちゃいいなというふうに思っていて、うちのセールスもCSもここは胸張って出せると言いますか、本当にみんな最高のメンバーなので、そこを知ってもらえるというのは、ウェビナーのいいポイントかなと思っていますね。

大熊:人となりがめちゃめちゃ出ますよね。

松本 氏:出ます。めちゃくちゃ出ます。

大熊:永井さんはどうですか。

永井 氏:テーマだったりとか、共催させていただく企業さんとの兼ね合いとかもあるかなと思っているんですけれども、私たちはそれこそトークセッション、パネルディスカッションみたいな形式での企画を、できるだけ積極的に採用するようにしておりまして、資料を見ていただければわかるような情報だけをこのウェビナーの中に収めるのはすごくもったいないなと思っているので、登壇者の思いだったりとか、オプトとしての見解だったりとか、そういったところを資料には載せきれないようなニュアンスとかも含めてお伝えできるような形の企画にしたいなと思っているので、こういう形をできるだけ採用するようにしています。

ウェビナーの企画の考え方

大熊:まずナーチャリング文脈のところをご質問いただいていたので、ターゲット別のテーマ設計のところから伺っていければと思うんですけど、どのような設計をされているかをPLAN-Bさんからお伺いできますでしょうか。

松本 氏:PLAN-Bでは、カスタマージャーニーの話を最初に記載しているんですが、大きく3つにウェビナーを対別して考えています。接点を取りに行く潜在層向けのコンテンツ、商談や有効商談を作りに行くための顕在層向けのコンテンツ。そして接点を持ちつつ商談も取れるといいよね、と言う中間層向けの3つに分けて考えています。

ウェビナーの予定を組むときに、週ごとに潜在層向け、顕在相向けをカレンダーに最初に入力していくんですね。その枠が決まってから、その中でどのコンテンツやりましょうかみたいなものを過去のデータとか見ながら、このコンテンツ良いかもみたいなので組み合わせていて、IS(インサイドセールス)のマネージャーやウェビナーリードに架電するメンバーと一緒に組むようにしているので、ISの要望もそこで拾いつつみたいな感じですね。

大熊:ありがとうございます。オプトさんもすごく似たような形だなと思っています。

永井 氏:私たちも結構似てはいて、目的に応じたウェビナー設計をさせていただいてまして、私たちの潜在層でいうと、特定業種向けのマーケターの方たちが集まるカンファレンスみたいなものを計画させていただいて、その特定業種のマーケターの方たちへの認知、イベントの企画をやっていることによって業界のイメージ作りみたいな、弊社が頑張っているよみたいなところだったりとか、知見がたくさんあるみたいなところを認知させるようなイメージを作るイベントだったりとか、あと共催の企業さんと一緒にやらせていただくウェビナーでいうと、弊社への信頼度を高めたいなと思っていたりもするので、それこそ先ほどお伝えした個人の意見だったりとか、弊社の見解みたいなところをお伝えしながら共感してもらえたらいいなというところがあったりします。

自社ウェビナーに関しては、弊社のサービスみたいなところを積極的にご紹介させていただくことが多いので、そこあたりがナーチャリングのコンテンツみたいなところのイメージをしている形ですね。

ファネル別テーマ設計の考え方

合意形成と運用

大熊:さっきご質問いただいていた、誰と考えるのか、合意形成はどうするかっていうところも含めて、運用面はどのような感じでやられているのか、ご紹介いただいてもいいでしょうか。

松本 氏:最初に作るときに、商談の録画をマーケ担当が見て、ある程度解像度を高めた上で、叩きをマーケ担当で作り、当てるときは、それぞれの部門のマネージャーと事業部全体を見ている事業部長と合意を取るみたいな形でやっていきました。

どちらかというと、アドバイスくださいみたいなスタンスでいきましたね。やっぱりどうあがいても、解像度が高いのは、普段よく会っているセールスとカスタマーサクセスの解像度が高いので、叩き作っていくので、ちょっとアドバイスもらえませんかっていうので見せてもらうというふうに合意形成はしてました。

また、運用のポイントを言うと、細かく分けすぎないっていうのが、本当に僕からは1点持ち帰っていただきたくて。最初はもうステージAからステージKくらいまで作っていて、13個くらい分けたりしてるんですけど、これは無理だっていうので、シンプルにしました。

大熊:6カテゴリで流してる感じですね。それでマップスかなって感じがしますね。永井さんもお願いします。

永井 氏:私たちは本当に書くこと、アップデートすることを目的にしないみたいなところを書かせていただいてるんですけども、私たちもマーケティングを始めるってなった時にカスタマージャーニーを描いてやってたんですけども、これ私の失敗だったんですけど、作り込んで書いて満足して、公開範囲もそんなに広くなく、上長と身近な人たちとの合意形成は取れてはいたんですけども、営業だったりとか、新しくマーケに接点を持ってくれたようなメンバーとかだったりとかと、共通認識がなかなか取れないみたいなことがありました。

独り占めにしなかったりとか、書くことを目的にしないのは本当に当たり前なことしかここに書いてないんですけれども、結構陥りやすかったりもするのかなと思ってます。まだまだ私たちも模索中ではあるんですけども、関係者との連携みたいなところは、もっと接点を取りながら、今後私たちも頑張っていきたいなと思っているような感じです。


登壇者プロフィール

株式会社PLAN-Bのマーケティング部メディア責任者 松本 健吾

京都大学卒。2020年に株式会社PLAN-Bに入社。SEOコンサルティングやネット広告運用などのWebマーケティング支援に5年ほど従事。現在はSEOツール「SEARCH WRITE」やCVR改善ツール「SEARCH WRITE LEAD」などのプロダクトマーケティングを担当。オウンドメディア「PINTO!」の責任者として、自社ツール活用やSEOの深い知見を活かし、獲得リード数を3倍以上に伸ばした実績を持つ。

株式会社オプト メディアコミュニケーション本部 セールスイネーブルメント部

2016年に株式会社オプトに中途入社。運用型広告のコンサルタントとして6年間広告運用の実務に従事した後、 2022年より現部署に異動し、自社のマーケティング業務に従事。新規取引の接点拡大にむけて、自社主催のカンファレンスや、共催・自社主催のウェビナーなど、イベントの企画運営、ディレクションなどを行う。

エキサイト株式会社 執行役員 大熊 勇樹

デザイン会社、ベンチャー企業にて主に新規事業部門での役員経験を経て、2021年4月エキサイトに入社し、執行役員就任。入社後にSaaS/DX事業部を立ち上げ、2年で4プロダクトリリースを行う。事業責任者を兼務している【FanGrowth(ファングロース)】では、現在リリース1年で750社のマーケターコミュニティを構築し、組織拡大をしている。



イベント概要

日時:2023年11月29日 (水) 10時00分~14時30分

タイトル:顧客の心を掴む、ウェビナーのチカラ。Webiner Marketing Conference 2023 Autumn 最短で成果を出した10社が語るウェビナー成功事例

内容


FanGrowth編集部
記事を書いた人
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