上場企業が取り組む事業成長のトリガーとしてのウェビナー施策

目次

第5部では「上場企業が取り組む事業成長のトリガーとしてのウェビナー施策」というウェビナーテーマで、クラウドサーカス株式会社 執行役員CSO 石田 拓己 氏と株式会社リロクラブ 営業推進ユニット グループマネージャー 市村 創一郎 氏が、ウェビナーがお客様とのウィンウィンを生むメリットについてや、ウェビナーを活用したハウスリストの拡大と新規リードの案件化について語られています。

(ファシリテーター:エキサイト株式会社 FanGrowth 営業責任者 山縣 昇也)

マーケティング全体方針

山縣:では今回のテーマに紐づいたマーケ全体の方針に関して、石田さんからお伺いしてもよろしいでしょうか。

石田 氏:はい、弊社クラウドサーカスが「働くに楽を」、これを実現していくために、中小企業様を中心に顧客を増やすということに挑戦できる環境を整えていきたい、という思いを実現するために全部で12商材、ターゲットBtoB企業様、BtoCのビジネスをやっているお客様それぞれごとにターゲットを設定しています。

ただ、この企業様それぞれにいろんな課題があるというふうに思っていますし、まずは入り口、こういうところから始めたいというふうに、顧客を増やすと言う問題を分解したときにいろんな課題があるというふうに思っています。

そこに対応ができる、使いやすいというところに特化をしたプロダクトを展開して、現在12個のツールを展開しているというようになっております。

位置づけは、かなり明確にしておりまして、先ほどのミッションを叶えていくためには安価で使いやすい中小企業向けというふうに特化をしてやっています。

山縣:ありがとうございます。では、続いて市村さんの方からもよろしくお願いいたします。

市村 氏:当社はですね、営業部門としてこのウェビナーの施策を実はやっておりまして、そこの前提部分、どういう形の事業部としての構成なのかみたいなところもちょっとお話しできればなと思っています。

我々は、たくさんのホテルさんとかレストランとかのサプライヤーさんと呼ばれる施設を束ねたプラットフォームを提供させていただいてまして、これを対従業員さん向けに展開している、いわゆる福利厚生事業部と呼ばれるところと、これを対toCのお客様向けに展開しているCRM事業部というものがあります。

私個人としてはこのCRM事業部の方に所属をしておりまして、その中でも新規営業部隊としてのマーケティングスタッフとして現在、共催ウェビナーを中心に展開させていただいているというところでございます。

主には、ターゲットとなる業界だったり、企業さんというところでいくと、主にBtoCの領域で事業展開されている企業さん、SMB(Small and Medium Business)よりもエンタープライズ系が多いかなというのが現状かなというところでございます。

当社が展開をしているホテルとかレストランとか、いわゆるその余暇を充実させるようなコンテンツっていうのを自社で持っていないです、自社で用意できないですといったようなクライアントさんが非常に多かったりするというところがあります。

こういったところを中心に今、営業展開をさせていただいているんですけれども、新規営業としてはテレアポ代行、DM送付、メルマガ、展示会など非常に結構アナログチックなことをやってはきたものの、あまり思うような効果が見えてなかったなっていうのが当時の状況でした。

ウェビナーに力を入れている理由はいくつかあるんですけれども、一つ大きい理由としては優良なハウスリスト持っておらず、アプローチする先がそもそもそんなにないよねっていう部分であったりとか、あとはウェビナー開催自体にはコスト発生しないんですね。ここは非常にメリットだなというふうに感じておりまして、取り組み始めて半年くらいっていうところなんですが、リソース全体の中では7割ぐらいを割いているかなというのが現状かなというところでございます。

マーケとして追うべきKPI

石田 氏:自社の顧客に対して商談になるというポイントが1番のKPIになっていて、リードから商談につなげていくためのセミナーをやっていくために、リードを獲得したら、その中のデータを使って、顧客に集客をしてセミナーをしていくという形で現在やっています。

山縣:複数の商材があったりとか、規模が大きくなることによって他部署との連携みたいな話が出てくると思うんですけど、KPIっていうのはどんな感じで決められているんですか?

石田 氏:先ほどのこの真ん中のリードとかですね、商談ってここを見るっていう所は同じようにKPIを定義をされているんですけども、プロダクトごとにお金を使っている、使っていないっていうものがあったりですとか、主要なプロダクトにカンファレンスから流れてくる、その広告から流れてくるという形で、プロダクトごとに投資対効果の見方っていうのは変わってくるところになります。

なので、獲得の数としてはこれぐらい取っていくっていうその見方は同じなんですけども、投資対効果でコストは使っていないところもありますし、そこは人の配分とお金の配分っていうところのコストを分けてですね、投資対効果を見るというような形で見ておくという感じです。

山縣:ありがとうございます。では、市村さんの方からもKPIの方をお願いいたします。

市村 氏:はい、ありがとうございます。先ほどから申し上げているとおり、営業職が強い部門になっているので、マーケティングっていう概念自体もそこまで強くないっていうのが営業部門として実はあったりするっていうところです。そういう観点から見ていくと、受注の件数と受注の単価、ここがやっぱり営業部門として非常に求められています。特に、フィールドセールスも関連する部門におりますので、ここが非常に見られるっていうのが今までの流れでございました。

会社から求められている部分は受注件数や受注単価ではあるものの、受注率のところを上げていかないと、限られたリソースの中で受注件数とか受注単価を上げていくっていうのがなかなか難しいだろうというのがあり、私どもの部としては、案件化数、案件化率、優良リード数っていうところを指標として置いているというところですね。

マーケ施策の中でのウェビナー・カンファレンスの立ち位置

山縣:マーケティング戦略の中でのウェビナー・カンファレンスの立ち位置、石田さんの方からまたお願いいたします。

石田 氏:まずパネルの中で、黒になっている、契約・追加契約の部分、ここが事業成長につながるポイントで、ここを目指していきたいので新規の顧客で契約までいく。もしくは既存の顧客でたくさん使っているプロダクトから次のプロダクトを使っていただく。

これをつなげてどんどん流していくプロセスがお客様からするとつまらない可能性がかなり高い。

なので興味を喚起する体験というのがこのプロセスの中で非常に重要だと思っていて、これをやっていくためには、カンファレンスを活用することでリードになっているお客様に対して、こんな学びがあるんだという体験を与えていく。さらに既に使っているお客様、でも他のプロダクトは…と思っているお客様に学びを与えています。

なので、ここのカンフル剤として自社のカンファレンスを使うことによって、右に行くプロセスを顧客にとっても価値にあるものにしていきたいというところがポイントになります。

山縣:違った角度からお話もできればと思うので、市村さんの方からもよろしくお願いいたします。

市村 氏:当社はやっぱりですね、今現在のところ立ち位置で申し上げますと、新規営業部隊としてのウェビナーの活用というような考え方にどうしてもなっています。なので方針としては主に2つです。

1つは単純なハウスリストの拡大ですね。これいわゆるウェビナーの、このカンファレンスとかも含めてそうですけども、当社としても今度ですね、カンファレンスを企画しておりまして、そういった部分でウェビナーで獲得するいわゆるハウスリストの拡大というところに注力をしているというのが現状です。

あともう一つはちょっと裏側のテーマではあるんですけれども、共催をメインにやっておりますので、この共催先様とのアライアンスの創出ですね、総合的なお客様の紹介であるですとか、そういったところを広げていくことによって、いわゆるその新規のリードというところから案件化をさせるところの強度を上げていくみたいなことをやるためのウェビナー、カンファレンスの立ち位置というのが現状です。

今後ですね、もうちょっと部門全体で広げていくことを考えていくと、既存クライアントさんもいらっしゃいますので既存クライアント向けですとか、その先には我々のユーザーさんというのがいらっしゃったりしますので、利用者、ユーザー向けみたいなところも今後は企画していけると、よりいい取り組みにできるのかなというふうには考えている次第でございます。

市村 氏:先ほど少しお話しさせていただいたんですけれども、当社としてのこの共催先選定の基準みたいなものを簡単に設けてまして、サービスの親和性と部署ですね、いわゆるご担当者様の部署親和性がどれだけ高いかというところを見に行っているというところです。

これは両方高いのが一番望ましいんですけれども、この下段のサービスの親和性自体は低くても部署親和性が高い場合ですね、こういう場合に関しては共催ウェビナーやってもいいのかなというふうにこの半年ぐらいですかね、思うようになりましてですね、逆にサービスの親和性が低い会社様の方が当社がもともと接触できていなかったクライアントさんがいたりするというのが最近わかってきたところでありますので、さらにこういったところを広げていく部分が必要かなと思っています。

なので逆に部署親和性が低すぎると、全く意味のないウェビナーになってしまうのかなというところも痛感をしておりますので、共催ウェビナーにおいてはこういったところが重要かなというふうに思っています。

山縣:ありがとうございます。今、共催先の選定基準みたいな話がありましたが、ちなみに、クラウドサーカスさんはいろんな目的・役割としてカンファレンスも開催されていると思うんですが、登壇いただく企業さんってどういうふうに選定されているとかっていうのは基準があったりされるんですか?

石田 氏:そうですね、学びが得られるっていうところをちょっとポイントにしたときに、ある程度、この人からなら学びたい、この会社からなら学びたいっていうふうに思えるか、と言う部分は基準にして選定していますね。

山縣:ありがとうございます。これウェビナー、カンファレンスあるあるだと思うんですけど、やっぱり集客数上げたいからとりあえず集客できる会社みたいな気持ちもありながら、ただコンテンツとして質が低ければイベントとしてリピートしていただけないよねっていうのがあると思うんですよね。

この辺りはクラウドサーカスさん、ある程度答えとかって出たりされるんですか?

石田 氏:私たちカンファレンスとセミナーと、もう少し事業部によったカンファレンスっていう形でいろんな種類をやっているんですけども、やっぱり投資対効果を求めるような施策であると集客数はしっかり設定して、その後の成果っていうのもしっかり設定するので、この場合は先ほどのとおり、ある程度数の基準かなり強めになっていく形になります。

今やっているこの自社のカンファレンスに関しては、興味喚起寄り、未来の商談につながればいいっていうところをやっているので、もう少し数を緩めにしているような形をやっています。

山縣:なるほどですね。この辺も集客数であったりとか、価値を提供するみたいな目的を分けながら、カンファレンスも開催されているようなイメージですね。

登壇者プロフィール

クラウドサーカス株式会社 執行役員CSO 石田 拓己 氏

新卒で博報堂でマーケターとしてマス領域&デジタル領域&メディア領域に従事し9年半、40を超える幅広いクライアント案件に携わる。その後マツダのグローバルのDXプロジェクトに出向して携わった後、DMM.comの経営企画室でのマーケティング&新規事業部立ち上げ、りらく社でのCMO(売上責任&マーケ&出店戦略領域管掌)を経て現職。

株式会社リロクラブ 営業推進ユニット グループマネージャー 市村 創一郎 氏

2017年にリロクラブ入社。エンタープライズ企業の顧客ロイヤリティプログラムの企画・サービス構築・プロモーションに従事。入社以来、新規法人営業として主に東日本の金融業界や不動産業界、エネルギー業界等のロイヤルカスタマー獲得へ尽力。現在は新規法人営業部門のマネージャーを務める。

エキサイト株式会社 FanGrowth 営業責任者 山縣 昇也

デジタルマーケティングを支援するSaaSベンダーを経て、2019年よりMAベンダーに参画。 マーケティング部の立ち上げ、CS責任者、DXコンサルティング事業部の事業部長として、ファネル全体を管掌。 2022年、エキサイトに入社し、セールス・コンサルティング業務を行っている。



イベント概要

日時:2023年11月29日 (水) 10時00分~14時30分

タイトル:顧客の心を掴む、ウェビナーのチカラ。Webiner Marketing Conference 2023 Autumn 最短で成果を出した10社が語るウェビナー成功事例

内容


FanGrowth編集部
記事を書いた人
FanGrowth編集部

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